北尾吉孝日記

『成長回帰に向かう世界』

2012年5月24日 15:20
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先日の日本経済新聞記事でも下記のような指摘がありましたが、アングロ・サクソンモデルからフランコ・ジャーマンモデルと言われる程、新しい資本主義の復活を形付けるものは未だないむしろまともな資本主義の体制にもどりつつあるというふうに私は認識しています(※1)。

『仏大統領選のオランド氏の勝利は、金融危機後の世界の変化を映し、資本主義の新たなシステム間競争を予感させる。
(中略)公約は「大きな政府」への単純回帰ではなく、資本に偏重した従来型の成長から資本と労働の公正な分配を通じた成長への転換構想といえる。
来年秋に総選挙を控える独との間で足並みがそろえば、欧州大陸に、金融主導のアングロ・サクソンモデルとは一線を画すフランコ・ジャーマンモデルの新資本主義が復活する可能性がある。』

どちらかと言えば、これまでは成長というものが様々な国で忘れ去られてきた部分があったわけですが、それはリーマンショック以後の様々な経済的停滞局面、あるいは未だ脱し得ない欧州債務危機といった色々な問題の中で成長などを考える余裕がなくなるような状況が続いてきたことに因るものです。
即ち、国であれ会社(たとえ銀行)であれ、今後成長するか否かは関係なしに“Too Big to Fail(大きすぎて潰せない)”とか日本のように無理やり破綻目前にした中小企業への融資を継続させるとかいうような発想の下、兎に角今正に汲汲としている所がパンクしないようにと資本注入が行われてきたわけです(※2)。
従って、成長を促す新産業創成のために国の資金や税金が使われていないという本末転倒とも言い得る状況を脱すべく、潰れる企業は最早潰れても仕方がないと割り切って、もっと伸びる産業を育成して行こうといった議論が漸く為され始めてきました。
もっともそういう形で実際に大胆な方向転換を試みようとした国は未だ出てきていませんが、成長を目指すべきであるという議論が、どうも今回の欧州での選挙などを見ていると少し増えてきたようにも感じられます。
先日閉幕したG8サミットにおいても「各国首脳らは雇用創出と経済成長を最も優先順位の高い課題と位置づけた」とされていますが、今成長というものが随分と謳われるようになっています(※3)。
私自身、経済というものは基本的に成長させねばならないという主義でいつもそうした主張を展開していますし、我々SBIとしてもコーポレートミッションの一つに「新産業クリエーターを目指す(21世紀の中核的産業の創造および育成を担うリーディング・カンパニーとなる)」としてNew Industry Creator ということを掲げているわけですから、当然ながら上述したような潮流というのは大いに歓迎すべきものと捉えています(※4)。
今のステージというのは、これまで世界中で様々な施策を実施してきた結果として成長というところへの揺り戻しが起こりつつあるのではないかというふうにも思っています。

参考
※1:2012年5月19日日本経済新聞「資本主義の新たなシステム間競争(大機小機)」
※2:2011年5月18日北尾吉孝日記『パブリックカンパニーとは何か
※3:2012年5月21日CNN.co.jp「G8サミット閉幕、経済成長と財政再建の両立目指す
※4:SBIホールディングス株式会社 企業情報・SBIグループ「経営理念




 

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