北尾吉孝日記

『オバマ再選の行方』

2012年7月19日 16:23
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今月号の『フォーリン・アフェアーズ・リポート』の論文「大統領選挙と消費者信頼感指数」にある下記指摘に拠れば、オバマ再選には黄色信号が灯っていると言えましょう(参考:米・CB消費者信頼感指数…2012年6月現在-66)。

『米民間調査機関のカンファレンス・ボードが1967年以降発表している「消費者信頼感指数」は、現職大統領が選挙でどのようなパフォーマンスを示すかを測るこの上ない指標だ。
(中略)消費者信頼感指数が95を下回っている時には、(フォード、カーター、ジョージ・H・W・ブッシュという)現職大統領が選挙で敗れ、95以上であれば、現職大統領が勝利を収めている(ニクソン、レーガン、クリントン、ジョージ・W・ブッシュ)。』

また「5月、6月と、ロムニー氏が、オバマ陣営を上回る選挙資金を集めたことに加え、2カ月続きで、米雇用統計がふるわなかった」といった事実、あるいはその他最近出てくる余り良くない各種経済指標から見れば、確かにオバマは少し形勢不利という状況になってきています(※1)。
上記論文でも指摘されているように「失業率と消費者信頼感指数の相関関係は、非常にはっきりとしている」わけですから、取り分け雇用の問題がもう一つ上向きになって行かない中では、どちらかと言えばオバマは劣勢ということなのだと思います。
私はオバマをフォローし彼のtweetを日々目にしていますが、例えば「#ACA」(= Affordable Care Act of 2010)というハッシュタグを付けて自身が行った医療制度改革の成果を謳ったり、あるいは「FACT」として「#progress」というハッシュタグを付けながら頻繁に呟いたりもしています(参考※2:FACT: Under President Obama, U.S. electricity production from renewable energy sources is on track to double by the end of 2012. ‪#progress)。
このようにオバマは大統領就任以後の成果を取り出して時々tweetしているわけですが、また片方では「民主党でも共和党でもない。我々はアメリカンだ」というように「一つのアメリカ」を強調する呟きも行ったりと(※3)、様々な形で情報発信を行い支持集めに懸命になっているようです(参考※4:“In the end, we are not Democrats or Republicans first. We are Americans first.”—President Obama)。
私に言わせれば、オバマの最大の強みというのは「有色人種で初の米国大統領」であることだと思われ(※5)、彼は増加を続ける黒人やヒスパニックといった層から強い支持を受け得ると考えています(参考※6:2011年米国の人種構成…白人63.3%/1億9750万人、ヒスパニック16.7%/5200万人、黒人12.3%/3830万人、アジア系5.8%/1820万人)。
最終的にどうなるかは中々予測し難いというのが正直なところですが、オバマ再選に逆風となる雇用の問題等が色々あったとしても、今まで虐げられてきた上記民族の連帯感といったものが選挙戦を左右する上では、やはり一つの重要な要素として顕在化してくるのではないかという気がしています。

参考
※1:2012年7月16日ウォール・ストリート・ジャーナル日本版『【肥田美佐子のNYリポート】日本とスペインに続く低賃上げ率の米国―雇用悪化でオバマ再選に陰り
※2:2012年7月19日BarackObama – Twitter
※3:2012年6月5日放送NHK クローズアップ現代「“自由”か“公平”か アメリカの選択
※4:2012年7月17日BarackObama – Twitter
※5:Amazon.co.jp「マイ・ドリーム―バラク・オバマ自伝
※6:2012年7月3日MSN産経ニュース『「アジア系」は米の模範的移民? 軋轢生じる恐れも




 

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