北尾吉孝日記

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先週火曜日にフェイスブックに投稿した『中国出張について~大連、北京、天津~』に対して、武井一徳様より「政治家の教育システムについてご提言いただけないでしょうか?現状を嘆くことに疲れてきました」というコメントを頂きましたので、本ブログにて私が思うところを簡潔に申し上げたいと思います。
政治家の教育システムということで言うと、例えば松下幸之助さんは私財70億を投じ、1979年6月に松下政経塾を設立したわけですが、今政界にいる卒塾生を見ても明らかなように、その卒塾を以て政治家が出来るというものではありません。
中国清朝末期の偉大な軍人、政治家で太平天国の乱を鎮圧した曾国藩は「冷に耐え、苦に耐え、煩に耐え、閑に耐え」大事を成すということを言っていますが、やはり「四耐」を経て人物が出来てくるかどうかということなのだろうと思います(※1)。
魚釣りで有名な太公望を例に見ても、特段何を勉強していたのかは不明ですが、ある日釣りをしていたら文王に見初められたわけで、世の中そういう歴史上の人物というのは結構います。
また例えば、大変な勉強をして非常に博学かつ胆識を有した人物である耶律楚材にしても、若干27歳で54歳の「チンギス・ハンの宰相となり、30余年、モンゴル帝国の群臣を仕切」ったわけですが、最初から政治家を志したというようなものではありません(※2)。
勿論、劉備玄徳が「三顧の礼」を以て諸葛孔明を自らの宰相にしたということについても、奥深い山の中に草庵を作って思索に耽り書物から物事を学ぶといった中で、思索と学問の両方を通じ自分の人物を練り上げて行くということを実践してきた結果なのです。
凡そ2年前のブログ『ピーター・ドラッカーと松下幸之助の違い』等々でも述べている通り、私は松下幸之助という人物を大変尊敬していますが、松下政経塾については政治家の教育システムとして殆ど役立たないものではないかと思っています。
やはり政治家を育てるということは、企業経営者を育成するのとは違ったものである、というふうに思う次第です。

参考
※1:2010年1月25日北尾吉孝日記『私の趣味~中国古美術収集~
※2:2012年6月11日ERPナビ「第11回 時には、お客様の要望の本質を突き詰めてみる・・・




 

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