北尾吉孝日記

『「AIJ問題」と年金基金』

2012年10月2日 18:29
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先月28日、サウスモールさんより『政権交代も視野に入る中、事務方も簡単には動けないと思われますが、今後どのような経緯をたどると予想されていますか?「厚年基金の廃止、反対根強く曲折も」』との質問をTwitter上で頂きましたので、本ブログにて私が思うところを簡潔に申し上げたいと思います(※1)。
例えば、嘗ての住宅金融公庫の時代において逆鞘で、要するに固定金利で貸せば貸す程損をするという赤字垂れ流しのシステムがずっと問題視されてきたわけですが、厚生年金基金を巡る問題も基本的には同じことであるというふうに捉えています(※2)。
即ち、厚生年金基金のみならず企業年金のうち多くのものは、現況において既にパンクしているわけで、それをそのまま続けて行くか否かといった問題です。
従って、どれだけの利回りを保証するという約束がある一方で、それを実現し得ない運用が為されているという現実もあるわけですから、強烈なインフレにより表面的にとりつくろうというのでなければ、厚生年金基金制度等は廃止せざるを得ないと私は考えています。
また「AIJ投資顧問の年金資産消失問題に関連し」ては先月4日、金融庁が「投資顧問会社など運用会社を第三者の信託銀行が監視・けん制する仕組みを柱にした防止策を発表」していますが、本件を巡る私どもの最近の取り組みとしては、モーニングスター株式会社(以下、モーニングスター)が今月より、「年金基金等の機関投資家向けに運用が行われている私募ファンドの評価および分析レポートの提供」を開始しています(※3/※4/※5)。
今年2月末のブログ『「AIJ問題」について』においても、私は「年金基金担当者は彼(AIJ社長・浅川和彦氏)の経歴の意味を理解してAIJに資金を預けようなどと考えるべきではなかったのでしょうし、仮に預けている資金があったのであれば早期に全て解約するのが正しい選択肢であったと言えるでしょう」と指摘しましたが、やはり「第三者による客観的立場からの運用機関の評価、運用内容の分析等」をきちっと行うモーニングスターのような中立的機関の存在というのは、今後更に必要性を増してくるというふうに私は思っています(※5/※6)。

参考
※1:2012年9月28日south_mall – Twitter
※2:2010年3月24日北尾吉孝日記『ファニーメイとフレディマックの廃止について
※3:2012年9月29日Yomiuri Online「厚生年金基金、廃止の方針決定…財政再建は困難
※4:2012年9月5日日本経済新聞「AIJ事件再発防止策出そろう 厚年基金続く苦境」
※5:2012年9月26日SBIホールディングス株式会社PR情報「機関投資家向け私募ファンドの評価・分析レポートの提供開始について
※6:2012年3月6日北尾吉孝日記『「AIJ問題」と天下り




 

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