北尾吉孝日記

『偉大なるかな稲盛和夫』

2012年11月12日 17:13
この記事をシェアする

此の週末、私は公益財団法人稲盛財団が主催する「第28回京都賞授賞式」及び晩餐会に参加し、関係者各位並びに受賞者の話を伺い、稲盛和夫さんが如何に偉大であるかという思いを改めて強くしました。
今回何故改めてそう思ったのかと言えば、稲盛さんが「世のため人のためということを志し、生涯を通じて夫々の分野の仕事に打ち込んでこられ科学技術の進歩や人類の精神の進化に大変貢献された方を顕彰する制度」京都賞を創設され、そして四半世紀以上も続けられる中で今や日本における最も世界的な賞の一つとなり、また世界でも国際賞として非常に高く評価されるものに仕上げられた所以です。
今回選出されたそれぞれの受賞者のスピーチを伺い、人間としても本賞に相応しい稲盛さんの年来の主張通りの立派な方たちだと思いました。どの方も本賞を受賞したことに対し、恩師や先輩、まわりの同僚や家族に対する感謝の念を忘れずひたすら一道に打ち込んでこられたように思いました。
今回選出された三名の内二名については科学技術の進歩に対し如何に貢献された方かを私自身も存じ上げておりました(参考:「第28回(2012)京都賞受賞者」)。その一人は「コンピュータグラフィックスの父」とも称される米国のアイバン・エドワード・サザランド(Ivan Edward Sutherland)博士でした。
サザランド博士は「コンピュータの対話的利用を可能とする世界の創出に多大な貢献をした」わけですが、私も商売上当該分野の書物を色々と読んだこともあり、取り分けバーチャルリアリティに絡む話などは最近でも読みました。
それからもう一人存知上げていたのは、自食作用「オートファジー(細胞の中の古いタンパク質を分解してアミノ酸にし、此れを基に新しいタンパク質を作る仕組み)」に関して世界的な研究成果を上げられている日本の大隅良典博士であり、私自身が我々のSBIファーマが医薬品として開発中のALAを主体とした化合物とミトコンドリアの活性化について勉強をずっと続けていることから博士の多大な貢献についても理解していました(※1)。
即ち、ミトコンドリアの品質管理においても上記オートファジーが上手く働くということが非常に大事であり、之が上手く働きミトコンドリアの新陳代謝が行われることが「臓器が若返る」上で大変重要な要素である、ということを認識していた関係もあって私は大隅博士も存知上げていました(※2/※3)。
唯、今年度の受賞者の中で全く存知上げていなかった方がインドのガヤトリ・チャクラヴォルティ・スピヴァク(Gayatri Chakravorty Spivak)・コロンビア大学教授であり、受賞理由はと言えば「知的植民地主義に抗う、開かれた人文学の提唱と実践」というものでした。
此の教授の思索の根底には、やはりインド人に流れる仏教の思想というものがあるのではないかという気もしたわけですが、何れにせよ代表的著作と言われる『サバルタンは語ることができるか』(みすず書房)等を読み理解を深めて行きたいと思っています。
稲盛さんについては時折謦咳に接することもありましたし、そしてまた御著書並びに事業を通じて偉大な人物であるというふうに思ってはいましたが、更に今回改めて世界人類に対して如何なる偉大な貢献を実践しておられるのかをより一層深く認識することが出来ました(※4)。
私は常日頃尊敬している人物として、あの明治時代、資本主義の勃興期にあって商業道徳というものを確立しようとし、自らも大変な業を興すと共に約600もの様々な慈善団体活動をされた渋沢栄一翁、そしてまた拙著『逆境を生き抜く名経営者、先哲の箴言』(朝日新聞出版)の「第一章 逆境を生き抜いてきた名経営者の知恵と胆力」でも第一番目に御紹介した、様々な意味において日本で大変な貢献をされた松下電器産業創業者の松下幸之助さんを挙げていますが、世界的なスケールでの社会貢献と言うとこの京都賞や盛和塾の世界的活動を考えるとやはり稲盛さんということになるのではないかと思われ、関西流に言えば私などは稲盛さんの爪の垢でも煎じて飲まねばと心から思った次第です。
御年八十歳という稲盛さんの御年齢から比べれば私は未だ20歳弱若いわけですから、稲盛さんがあれ程までに世のため人のため頑張られている以上、私も小成に安んずることなく少しでも稲盛さんに近づくべく「事上磨錬」して行かねばならないという思いを非常に強くしました。

参考
※1:2012年9月25日『健康は「内臓さん」で決まる』(サンマーク出版)
※2:Amazon.co.jp「臓器は若返る メタボリックドミノの真実
※3:2012年9月14日北尾吉孝日記『健康で長生きするために
※4:2012年2月7日北尾吉孝日記『稲盛和夫さん講演会雑感




 

(任意/公開)
(任意/非公開)



Copyright © SBI Holdings, inc. All rights reserved.