北尾吉孝日記

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今週月曜日、弊社取締役でもある田坂広志さんと話をしていたところ、今『Call 5! Vote 80!(「投票に行こう!」と5人に声をかける行動を!「投票率80%」という革命を!)』という運動を熱心にプロモートされていると伺い、私は大変素晴らしいことであると思いました。
先月27日のブログ『ネット投票と民主主義』でも少し触れたように、今日本の若者の多くには選挙無関心・政治無関心というような状況がありますが、それとは対照的に例えば米国や韓国等の状況を見ていていますと、寧ろ若者が中心となって様々なボランティアとして一つの推進力にもなっています。
日本においてはある意味それだけ平和が保たれてきたということかもしれませんが、私に言わせれば余りにも此の民主主義というものの有り難さを、今の若者の大多数は分かっていないのではないかと感じられます。
いよいよ近付いてきた投票日を前に私が言いたいのは、やはり一票を投ずることでその参加は具現化されるわけで、民主主義における非常に大事且つ基本的な行為である投票行為については必ず為すべきではないかということです。
歴史を振り返って見れば、今から123年前に発布された大日本帝国憲法下においては所得制限が設けられ、しかも男性のみが参政権を有するという状況であったわけで、嘗て女性達が参政権獲得の為にどれだけの運動を展開してきたのかに思いを馳せ、一票を行使しないことはある意味自らが民主主義を否定することに繋がる、というぐらいの意識を夫々が持つべきではないかと思います。
大衆の英知というもの、つまり知識も見識も欠落した者が集まって出す結論などに価値はないと考える人も中にはいるかもしれませんが、大衆は意外と正しい方向を選択するものだというふうに私は捉えています。
凡そ2年前『個人と大衆』というブログでも述べましたが、大衆とは未来をどのように持って行くべきかというような方向性を与えることは出来ませんが、問題の原因を分析し「このままではダメだ!」という感覚だけは持つものです。
その意味で言うと、例えば2009年夏の自民党政権崩壊・民主党政権樹立というのは自民党の政権運営が間違いであった、あるいは今までは正しかったかもしれないがこれからの時代には相応しくない、という感覚を大衆が持ち審判を下した結果でありましょう。
そして民主党は歴代首相の無能力さが故に自滅したわけですが、しかしながら今自民党が「単独過半数の勢い」となっているのは、決して昔の自民党の回帰を求めているのではなく寧ろ自民党の変身を期待してのことである、と党関係者はきちっと認識すべきです(※1)。
「君子豹変す」という言葉が『易経』の中にあり、どちらかと言えばガラッと態度が変わってしまい何か悪いように受け止められていますが、正しくは「君子とは自己革新を図り、小人は表面だけは改るが、本質的には何の変化もない(君子豹変す、小人は面を革む)」ということを意味します(※2)。
今回の総選挙を経て仮に自民党が単独過半数を獲得したとしても、党関係者は決して驕ることなく正に「君子豹変す」という正しい意味において、自己革新・自己変革して貰いたいというふうに思う次第です。
今、日本政治においてこれだけ政党が乱立しているのは、各人の価値観も多様化し問題も複雑化して、また種種雑多な問題が起こってきているということが前提としてあろうかと思いますが、その根本には戦後60年以上に亘る自民党長期政権下で築き上げられた政官財及びマスコミの癒着構造という諸悪の根源に対して、将来の危険を察知する大衆のある種の英知が働いた結果かもしれないというふうに私は考えています(※3/※4)。
そしてその将来ということになれば、私のような60歳を超えた人間というよりも、正に今若い人達が如何なる将来社会を望むのか、将来社会がどうあって欲しいと思うのかといったことを真剣に考え、参政権をきちっと行使し民主主義の政治に参加するということが必要ではないでしょうか。
それは自身が何れ迎える将来の問題であるということを、若者達には強く認識して貰いたいというふうに思います。

参考
※1:2012年12月13日東京新聞「衆院選終盤情勢 自民 単独過半数の勢い
※2:2009年3月2日北尾吉孝日記『「易経」に学ぶ①
※3:2012年11月16日北尾吉孝日記『衆議院解散を前に~短命政権化する日本政治~
※4:2012年12月12日北尾吉孝日記『日本官僚制の問題点~東電福島原発事故と笹子トンネル崩落事故~




 

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