北尾吉孝日記

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先月25日に「日本政府観光局(JNTO)から公表された統計によりますと、2012年の訪日外国人旅行者数は対前年比34.6%増加の約837万人となり、(中略)震災のあった2011年の約622万人を大幅に上回り、全体として、ほぼ震災前の状況まで回復した」ようです(※1)。
唯、震災前の水準に回復したと言っても、これだけ四季に恵まれ折々の旬の食材があり風光明媚な日本を思う時、まだまだ少な過ぎるというふうに感じます。
では、「16年までに1800万人、20年ごろには2500万人まで旅行者を増やす」という目標に持って行くために、日本が取り組むべきは如何なることでしょうか(※2)。
例えば、私は昨年5月『日本におけるカジノ産業育成の考え方』というブログにおいて、『中国政府が本土からマカオへの渡航規制を掛ける程中国人というのは昔から無類のギャンブル好きですが、中国の中間層は2020年までに「9億2,000万人、富裕層(世帯年間可処分所得が3万5,000ドル以上の所得層)が、1億8,000万人になる見込みで(中略)日本の総人口より多くなる」とも言われており、その中間層を取り込むことなしに日本が観光立国として発展して行くことは難しい』と述べ、「中国人に結構人気がある北海道でのカジノ産業の発展がウィンタースポーツとのコンビネーションにより、当該地域が現在抱える過疎地の問題等々を解決する一つの方策となるのではないか」と提唱しました。
また、一昨年4月に上梓された拙著『日本人の底力』(PHP研究所)においても、「第五章 今後の日本及び日本人の行動指針」の「観光と留学で人の交流の活性化を」の中で次のように述べました。

【近年、韓国、台湾、中国、香港といったアジア諸国からの観光客の増加には著しいものがあります。実に来日する外国人観光客の七割以上がアジアからなのです。
 今後も中国の中間所得層の増大に応じて確実に日本への観光客は増加していきます。(中略)
 こうした海外観光旅行の潜在的人口の著増に加え、格安航空会社も多く台頭し、中国から日本への観光旅行は気軽なものになるでしょう。(中略)
 政府が今から早速やるべきことは、①観光ビザの取得を容易にする、②出入国者数の大幅増加に備え、入管や税関の体制整備をする、③さまざまな言語の通訳を養成する、④一定のグローバル・スタンダードに準拠した公的な宿泊施設を整備する、等々が考えられましょう。また地方自治体も観光客の地方経済に対するインパクトを十分に認識し、地方の観光資源の開発(例えばスキー施設)や温泉開発、地域の食材を使った料理の工夫等々、地域住民挙げて行うべきでしょう。】

12年の年間の訪日外客数を見ますと、「中国、台湾、タイ、マレーシア、インドネシア、ベトナム、インドが過去最高を記録し、このうち国・地域別順位で、台湾は2位、タイは6位に浮上した」ということで、アジア諸国からの観光客は着実に伸びているようです(※3)。
また、「英調査会社ユーロモニターによるとアジアの年間世帯可処分所得5000~3万5000ドルの中間層は20年に23億人と11年から約6億人増える。消費総額は14兆ドルとなり、米国を上回る」ということで、来日観光客の齎す国内消費増大効果は今後一層強く意識せねばなりません(※4)。
先に述べたように日本には膨大な観光資源あるわけですから、上記20年の目標達成に向け厳しい現況を乗り越えるべく、政府・地方自治体を中心にオールジャパンでもっと知恵を絞って行くべきだというふうに思う次第です。

参考
※1:2013年1月25日観光庁「本年はいよいよ1000万人を目指します!~2013年訪日外国人旅行者数目標について~
※2:2013年1月27日日本経済新聞「外国人観光を倍増するには
※3:2013年1月25日JNTO 月別推計値「2012年12月推計値
※4:2013年1月1日日本経済新聞「世界の5割経済圏、沸き起こる中間層 2050年にGDP8倍 アジア跳ぶ(1)




 

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