北尾吉孝日記

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今月1日、日本のテレビ放送開始から60年目を迎えました。
最近私は、小郷知子さんという割合上品な女性がキャスターを務められている土日の「NHKニュース7」以外、殆どテレビを視聴しなくなりました。
大河ドラマ」を見る時もあって前作の「平清盛」は見ましたが、今の「八重の桜」は余りにもスケールが小さいが故、全く以て興味が湧かず見ることはありません(※1)。
後は、例えば昨秋放送されたNHKドラマ「負けて、勝つ ~戦後を創った男・吉田茂~」のような特別番組の類は、前以て見ようかという気も場合によっては起こったりもします(※2)。
では、限られた貴重な時間の中で私が何をしているかと言えば、一つはやはりネットでニュースの概略を閲覧し、そしてまたそれについてネットで検索し更に掘り下げたものを見て行くといったことが多いです。
情報を伝えるという意味では、最早テレビよりネットの方がある面早くなっているわけですから、そういう意味でもテレビの視聴時間はネットに置き換わって行っています。
更にもう一つは、書物を読みながら併せて思索をするということですが、之は私にとってネットに費やす時間よりもある意味もっと重要なものであります。
ネットで情報を取って大体の概略を把握し、その後に思索をするということは勿論ありますが、それよりも精神の糧になるような書物を読み、それを味読・味識する中で深い知恵に接するということに時間を使うことが、今一番の楽しみになっています(※3)。
従って私にとっては、此の書を読む楽しみ古典を読む楽しみこそが最も大事なことですから、そういう意味でも最早殆どのテレビ番組を見ることはなくなってきています。
ある調査では「午後7~10時にテレビを見ている世帯の比率(総世帯視聴率)は2000年まで7割前後が続いた。ところが現在は6割台前半に低下」したという結果も出ているようですが、今後もこの傾向が続いていくのではないかという気がしています(※4)。
放送開始から60年を経てテレビの改革が望まれているということかと思いますが、されどテレビというものが未だ最大の影響力を持つ巨大メディアであることに違いはありません。
従ってテレビ局は、大衆をして「一億総白痴化」への道を歩ませるというのではなく、劣化の一途を辿る番組の質を改善し、司会者だけを代えて各チャンネルが同じ事ばかりを放送する画一的な報道状況等を見直す中で、国民をより高い方向に誘導して行くことが重要ではないかと思います(※5)。
一般大衆というのは、今日劣化しつつあるマスメディア環境の中にいるわけですが、私は今尚この一般大衆の知恵といったものを信じています。
安岡正篤著『政治と改革』(明徳出版社)の「政治と人物」の中で、アリストートル(アリストテレス)の考え方が次のように記されています。

『アリストートルはこれに反して質は量に伴うものであって、民衆政治はどうしても少数政治に勝ると考えた。
 第一、多くの事例において、民衆の輿論はいかなる個人よりもその判断が勝れている。
 第二、多数は小数より腐敗し難い。例えば感情に駆られたり、人に欺かれたりして、正道を誤ることが少ない。
 第三、多数は徒党を作るが、その性質は常に多数そのものの性質と同じように比較的善である。
 人間は一人一人にすればいかに劣弱なものであっても、民衆となると、必ずそこにある厳粛なものが存する。民の声は天の声である。決して侮ることの出来ないことは、古来東洋の政治学書にも斉しく厳に記されている。』

一般大衆を総体として見れば、正にアリストテレスが述べているような側面があり、そういう意味では「一億総白痴化」と言っても、大衆の知は余り馬鹿にした面だけでもないわけです。
それ故、世の大衆が総体として如何に考えどういう発言をするのかについて、私は何時もネット上でもフォローを怠ることはありません。

参考
※1:2012年10月16日北尾吉孝日記『「ソフトバンク巨額買収」について
※2:2012年9月28日北尾吉孝日記『NHKドラマ「吉田茂」と日本の領土問題~愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ~
※3:2011年6月13日北尾吉孝日記『読書の在り方
※4:2012年5月31日北尾吉孝日記『今日本に「この人民ありてこの政治あるなり」
※5:2013年1月31日日本経済新聞朝刊「テレビ放送、あす60年、視聴者呼び戻し急務――広告収入減、新たな収益源探る」





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  1. 立教大学の田浦功祐と申します。

    本日は、お忙しい中、会社説明会のお時間を作っていただき本当にありがとうございました。

    また、どうしても御礼をお伝えしたく、お伝えする場がこのような場になってしまう事をご了承ください、申し訳ありません。

    北尾社長を以前から、致知や書物、ブログなどを通じて存じ上げていましたので、今日が来るのが本当に楽しみにしていました。

    お話を聞いて、改めて北尾社長の人間性や哲学に感動し、また共感しました。

    北尾社長の下で働きたい。そう確信しました。
    絶対に最終面接まで残ってみせます。

    繰り返しになりますが、本日はありがとうございました。

    以上です。

  2. >田浦功祐 様
    上記コメントをくださいまして有難うございます。
    facebookにも多く寄稿しておりますので、そちらも御覧頂きコメントやメッセージ等でコミュニケーションさせて頂ければ幸いです。



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