北尾吉孝日記

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本日のMSN産経ニュースにも「4月解禁 乱れる足並み 経済団体」という記事があり、就活開始時期を4年生の4月以降とすることに対して、「数カ月の間に結婚相手を決めるのと同じで、学生には死活問題になる」と否定的であった経団連の米倉弘昌会長が、一昨日「(政府から)要請があれば粛々と受け止めていく」と容認姿勢を示したことに関する報道が為されています。
私見を述べるならば、最近は青田買いも少しマシになったとは言え、やはり未だ早過ぎるように思われ、「新卒一括採用」という形態を続ける前提においては、遅ければ遅い程良いというふうに思っています。
と言いますのも、最近は大学入学の時点で勉強を終えたと考える学生が多く、本分である学業に精一杯励むのではなく遊ぶために大学に入っているといった状況であり、学生にはもう少し真剣に勉強をさせるべきではないかと考えているからです(※1)。
SBIグループの新卒採用では全て私が最終面接を行っていますが、学生時代に一番印象に残ったことや身に付けたこととして「学業の中で○○を身に付けました」という発言をする人が全くと言って良い程おらず、「一体何のために大学へ入ったのかなぁ」と思うような学業に全く専念しない学生が大変多く見受けられます(※2)。
「大学の授業料だけではなく、生活費や小遣いまで親から貰っている学生が、何故にアルバイトをしなければいけないのか」「なぜ学生同士で互いに学力の面でも、あるいは人物を磨く面でも切磋琢磨するということが出来ないのか」と不思議に思います(※1)。
学生の本分は勉強にあるということに徹し、勉学を通じて学生諸君が皆切磋琢磨しながら知性を磨いて行き、そしてまた知性を磨く中で人間力というものも併せて磨いて行くべき大事な学生時代に、アルバイト・サークル活動・更には就活という形で時間が奪われるというのは如何なものかと、率直に申し上げれば非常に望ましくない状況だと思っています。
他方、企業の側から言えば、経団連や同友会等が「望ましい解禁時期」といったものを一々決める必要はないと思われ、夫々の企業が夫々決めて行く中で採用したいと思うタイミングで採用活動を行えば良いし、今は採用しないでおこうと思えばしなければ良いのではないかと考えています。
新卒一括採用については、企業側にとって「一定の時期に多くの学生の中から欲しい人材を選べ、社風を維持しやすいという利点が大きい」という人もいますし、学生からしても便宜上一度で済ませた方が良いというような話もあるのかもしれませんが、そうしたことが果たして学生にとって本当の意味での便宜になると言えるのでしょうか(※3)。
これから30年の間、自らが身を置き生涯を託する会社を探すという立場の人間にとって、同じような時期に皆同じ位の所に集まり、我先にと互いに必死になって内定を得ようと、どこか決めねばならないと焦りまくって決めて行く、というような状況が学生にとって本当に良いと言えるのでしょうか。
そういう意味では採用活動の基本的な考え方として、寧ろ企業の側は何時でも学生に対してオープンであり、学生夫々が主体的に企業を探し出して訪問し、そして企業は一面非効率と考えるかもしれませんが、来た学生に何時でも対応出来るような体制を敷いておく、という方が現体制よりも遥かに良いのではないかと私は考えています。

参考
※1:2008年12月3日北尾吉孝日記『最近の若者に思う
※2:2008年2月15日北尾吉孝日記『SBIグループに求められる人物像
※3:2012年11月23日イザ!『「新卒一括採用」不平等で見直すべき? メリットは?




 

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