北尾吉孝日記

『全柔連は再建可能か』

2013年8月15日 9:28
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御存知のように、暴力指導や助成金不正受給等の不祥事で揺れる全日本柔道連盟(全柔連)は今体制刷新を進めており、新日鉄住金会長兼CEOの宗岡正二氏と元大阪府警本部長の近石康宏氏が「理事による互選で外部から初となる会長と、専務理事に選出される見通し」となっています(※1)。
ただ私に言わせれば、ちょうど一度枯れた木にどれだけの肥やしと水を与えても再生出来ないのと同じように、此の一旦腐った組織のトップを挿げ替えただけでは、その再建は図り得ないのだろうと思います。
では、何を変えねばならないかというと、例えば10年1月に破綻したJALのケースを考えてみるに、稲盛和夫さんはJAL全従業員の心の持ち方を変え、それによって働き方を変えたことで見事に再建を果たしました。
従ってそういう意味では、一連の不祥事に関与した理事や監督・コーチ等の責任を追及するだけでは不十分であって、そうした役職者を選んだ側で偶々理事やコーチ等を務めていない関係者においてもやはり問題があるのかもしれませんから、正に今一度柔道の創始者・嘉納治五郎の精神を学ばねばならないと思うのです(※2)。
つまり、「柔道の精神とは一体何なのか」「柔道の真髄とは一体何なのか」といったことを突き詰めた後、そこから柔道界における一つの共通認識というものをもう一遍取り戻すことなくして、全柔連の再建も図り得ないということです。
トップを代えたからと言って、その人が学生時代に柔道部の主将を務めたからと言って、そしてまた、専務理事に官吏だった人を招聘したからと言って、殆どと言って良いほど意味を為さないのではないでしょうか(※3)。
全柔連が再建可能か否かは、柔道を志す人間に対してトップがどれだけ嘉納治五郎の精神を再び叩き上げることが出来るか、という一点に尽きるのだと私は考えています。

参考
※1:2013年8月12日東京新聞「宗岡氏に理事就任要請 全柔連 トヨタ顧問・近石氏も
※2:2013年8月14日NHK NEWSWEB「全柔連 理事23人が辞任へ
※3:2013年8月12日東京新聞『「全柔連に透明性を」 会長就任有力宗岡氏インタビュー




 

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