北尾吉孝日記

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先ず以て今回東京オリンピック招致が成功したことで本当に良かったと思うのは、7年後という開催のタイミングが丁度良いことは勿論、消費税率を予定通り引き上げられるということです。
今月9日発表の4~6月期のGDP改定値が年率換算で3.8%増(速報値:2.6%増)に上方修正されたということでは未だ不十分でしたが、此のオリンピックが7年後に決まったということで後顧の憂いなく安倍政権は法制化されていた通りの消費税増税に踏み切るべきです(※1)。
即ち、あの3.8%増という上方修正は私からしてみれば必要条件であり、そして今回の東京五輪招致成功が十分条件であって、必要十分条件が満たされた今、予定された通りのスケジュールと幅で確実に消費税は上げるべきだということです。
仮に予定通り消費税増税を実施し、「名目3%台半ばの高い成長率が続くシナリオでも2020年度の国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス)の赤字は名目国内総生産(GDP)比で2.0%、実額で12.4兆円の赤字となる」という政府試算もありますが、之についても2020年東京五輪の御蔭でひょっとしたら変わってくるのかもしれません(※2)。
『論語』の「顔淵第十二の五」に「死生命あり」とあるように、生きるか死ぬかは天の命で分からないことですが、もし7年後に私が生きていられれば、幸運にも日本でのオリンピックを2度経験できることになります(※3)。
日本人男性の平均寿命が79.94歳であること、及び私が毎日ALA(5-アミノレブリン酸の略称)を沢山飲んでいるということから考えると、69歳になる2020年まで生きていられるのではないかと期待しています(※4)。
1964年に開催された東京オリンピックの時、私はまだ中学生でありましたが、あの事前事後でどれだけ東京が変わったかということ、そしてまた、日本を見る世界の目がどれだけ変わったかということが、実体験として私の目に焼き付き、私の脳裏に染み付いています(※5)。
あの時「オリンピック関連投資は1兆円を超え、1964年の国内総生産(GDP)の3.6%に相当した」と言われていますが、仮にGDPが500兆円だとすれば、今回1%に達しない程度であったとしても5兆円弱という数字が出てきます(※6)。
今月6日のブログ『日本の命運を左右する2大イベントの結末や如何に~東京五輪招致・消費税増税~』でも私自身東京だけでみても4兆円~4.5兆円程度を見込んでいると述べましたが、そういう意味では長野オリンピックを下回る3兆円などという東京都の試算に対しては、余りに保守的過ぎると思います(※7)。
民間の試算では観光も含めて日本全体に及ぶ広い意味で7年間で100兆円を超える経済波及効果を指摘するものもありますが、そうした前提で言えば少なくとも30兆円は下らないと思いますし、上手く行けば50兆円規模に膨らむ可能性もあると見ており、それ故上述した通り消費税増税のための必要十分条件を満たしたと私は考えているのです(※8/※9)。
また相場的な観点から言うと、既に株式市場はどんどん動き始めていて、当ブログでも3月11日より日経平均株価16,000円説を出していますが、私の見通しでは年末までに少なくとも16,000円は軽く超えて行き、場合によっては18,000円位まで上がる可能性も十分あると見ています(※10/※11)。
更に言えば、月刊誌『ネットマネー』に連載してきた私の日記的な小論の書籍化で、昨年6月に上梓された『日本経済に追い風が吹いている』(産経新聞出版)の「論点10:2012年、日本株は上昇する」の中で、私は下記に続けて「おそらく2011年11月を底に2~4年程度の中期的な上昇波動に入っているのではないかと見ています」と書きましたが、正にその通りに相場は動いて行っています(※12)。

●「割安な日本株が見直され株式市場は好転する」
【日本株の過去のパターンからいえば、たとえば2000年以降の日経平均株価の推移を見てもわかる通り、2000年4月から2003年4月の3年間は下落して2003年4月から2007年7月の4年強は上昇、そして2007年7月から2011年11月の4年強は下落するというように、だいたい3~4年で一つの上昇・下降のサイクルがあるような気もしています。】

年初の日経新聞に「掲載される経営者の今年の日経平均の高値予想をみても、1万2000円あたりが大半。日経電子版に昨年末に掲載されたストラテジストなど10人の予想でも高値予想の平均は1万1500円台だった」わけで、大和証券株式会社の日比野隆司社長の高値予想13,500円もあっさりと超えて行きました(※13)。
また、野村證券株式会社によれば、『1996年に開催されたアトランタ五輪以降の五輪開催国の株式相場の騰落率をみると、ITバブルの崩壊が北京五輪の開催決定と同じ時期だった2001年などを除いて、「経済効果が波及するとみられる開催直前より、開催の7年前で、開催地が決定する年に好パフォーマンスになることが多い」』ということもあるようですが、私は相場に対しても非常に強気で、年末までに16,000円~18,000円を目指す展開になるであろうと確信しています(※14)。
そして、今回東京オリンピックの招致成功により日本経済の最優先課題「デフレからの脱却」も更に進展して行くものと思われ、日経平均が18,000円に達するための必要十分条件が整ったものと、これまた考えています。
ただ経済についてもう少し付け加えると、最近は円安になったら相場が上がるとか、円安になれば日本にとって良いというふうな発言をする人が結構いて、そういう風潮が出てきていることについて私は危惧しています(※15)。
確かに輸出企業にとっては良いことなのかもしれませんが、国民経済的に良いことか否かというのは別問題であって、寧ろ一国の通貨価値が上がるということは、その国のリビング・スタンダードが上がるということですから、本来的には円高の方が望ましいわけです。
勿論、長期に亘って購買力平価よりも遥かに円高になっている場合は修正が求められるのでしょうが、今一部で見られるように一方的に円安を望むというのは、明らかに間違いだということだけは指摘して置きたいと思います。

参考
※1:2013年9月9日日本経済新聞「4~6月期実質GDP改定値、年率3.8%増 名実逆転解消せず 速報値は2.6%増
※2:2013年8月8日日本経済新聞「基礎収支、赤字12兆円 財政再建遠く 政府試算 20年度見通し
※3:2013年8月20日北尾吉孝日記『仕事との向き合い方~20代・30代・40代・50代~
※4:2013年7月25日日本経済新聞「日本人の平均寿命、女性2年ぶり世界一 男性は5位
※5:2009年5月19日北尾吉孝日記『2016年東京オリンピック招致について
※6:2013年9月11日日本経済新聞「[FT]安倍首相が五輪開催で描く日本再生シナリオ
※7:2013年9月7日テレ朝News「“東京五輪”の経済効果 100兆円超の見方も
※8:2013年9月9日株式会社 武者リサーチ ストラテジー・ブレティン(104号)「2020年東京オリンピックは日経平均を4万円に近づける
※9:2013年9月9日MSN産経ニュース『開催までの経済効果「150兆円」試算 観光業の拡大が牽引 景気リスク懸念の声も
※10:2013年3月11日北尾吉孝日記『日米相場展望
※11:2013年7月11日北尾吉孝日記『バイロン・ウィーンの「日本びっくり5大予想」について
※12:2013年2月4日北尾吉孝日記『私の日記についての嬉しいコメント
※13:2013年5月16日日本経済新聞『「期待先行の買い」で始まる、日経平均2万円への道」』
※14:2013年9月2日ロイター『アングル:建設・娯楽など「東京五輪銘柄」に注目、アベノミクスの分水嶺に
※15:2013年8月30日北尾吉孝日記『QE3縮小前の世界金融経済情勢




 

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