北尾吉孝日記

この記事をシェアする

今月1日、安倍首相は来年4月から消費税率を8%に引き上げることを表明しましたが、次の焦点として生活必需品等の消費税率を低くする「軽減税率」ということが一つ挙げられます(※1/※2)。
之について「自公両党は今年1月、10%引き上げ時に軽減税率制度の導入を目指し、12月までに対象や品目、軽減する税率などの結論を得ることで合意」していますが、軽減税率などということを言い出すと、あらゆる面で大変なことになるでしょう(※3)。
例えば、今月10日の日経新聞記事『軽減税率導入の是非(大機小機)』でも指摘されている通り、先ず以て「具体的に何を生活必需品にするか線引きが難しい。例えばコメ、味噌に適用すれば、その加工品の扱いなど関連業界の利害調整が大変」になりますし、また「消費税では課税売上高から仕入れ、経費に含まれる消費税を控除するが、複数税率だと現在の帳簿方式では計算が極めて煩雑になる」といったように、事務作業が物凄く増えてしまうことにもなるわけです。
それ故、軽減税率導入の弊害について上記観点から考えてみても、やはり単一税率を維持して行くというのが望ましいことだと思われ、何が何でも複数税率を導入しなければならないという状況が生じた場合は、後から具体的に考えて行けば良いのではないかと私は考えています。
それからもう一つ、日本新聞協会会長の言葉を借りて言うと「知的生活必需品としての新聞」に対して消費税増税時に軽減税率を適用すべきか否かという議論が常にありますが、結論としては佐賀県武雄市長・樋渡啓祐氏のブログにあるように「新聞への軽減税率適用はおかしい」のだろうと思います(※4)。
新聞の購読料金への軽減税率適用が不可欠だと考える人達は、「新聞が値上げされると販売所の維持が困難となり、地域、所得によって情報格差が生まれる」とか「新聞が衰退すると多様な言論空間が縮小し、民主的な社会の衰退につながりかねない」と言っているようですが、若者の圧倒的なネット利用の状況一つを例に取ってみても(※5/※6)、今からわざわざ新聞への適用に持って行く必要はないと思います(参考:図2 日本人男性の1日平均(平日)の新聞とインターネット接触時間量)。
政府与党に圧力を掛け「新聞にネガティブな記事を載せても良いのか」といった具合に脅かすような中で軽減税率の対象になろうとするなど以ての外で、先に述べた通り私としては基本的には全て平等に単一税率を用いるべきだと考えています。

参考
※1:2013年10月1日北尾吉孝日記『消費税率の引き上げ表明を前に~橋本龍太郎内閣と安倍晋三内閣の違い~
※2:2013年10月9日Yomiuri Online「軽減税率、12月に導入の方向決定を…公明代表
※3:2013年10月11日毎日jp「社説:軽減税率の導入 議論加速し年内決定を
※4:2013年8月31日J-CASTニュース『新聞協会長「軽減税率」を主張 「消費増税が新聞を潰す」は本当か
※5:日本新聞協会 聞いてください!新聞への消費税軽減税率適用のこと「なぜ新聞に軽減税率が必要なのですか?
※6:2013年9月26日毎日jp「新聞協会シンポ:言論の多様性を確保…軽減税率が不可欠




 

(任意/公開)
(任意/非公開)



Copyright © SBI Holdings, inc. All rights reserved.