北尾吉孝日記

『人の視力』

2013年10月25日 15:51
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今月14日の日経新聞記事に「まぶしい照明はNG 秋の読書、視力低下にご用心」というのがありましたが、そもそも太古の昔は恐竜に踏み潰されぬよう我が人類の祖先達は夜行性であったので、哺乳類は一般的に目が非常に弱い動物です。
人間以外の哺乳類は、人間以上に目が弱く、基本的に色盲だと言われています。上記したように人類というのは夜行性で出発した目が弱い動物ですから、日本ではよく言われてきた「本を読む時は、明るくしないと目が悪くなる」というのは、必ずしも正しくはありません(※1)。
そして、その人間の中でも取り分けメラニン色素の沈着が少ない欧米人は、紫外線によって目に大変な悪影響を受けるわけで、それ故例えばベトナム戦争の時ベトナムに従軍した米国人達が本国へ帰還した後、失明するという人が多く出てきたそうです。
上記西洋人と比較的多くのメラニン色素が蓄積されている日本人等の東洋人とを比較してみますと、例えば欧米人は蛍光灯を好まないということがあって、日本人からしてみれば「随分と薄暗い所で本を読んでいるなぁ~」と思うぐらいが、彼らとしては適切だということが一つあります。
それから住環境においても、日本人が南向きを志向する傾向がある一方で欧米人は北向きが良いとしていますが、之は「実際に太陽の光を浴びたとき、青い目の人種はメラニン色素が少ない分だけ光を感じやすく、メラニン色素の多い黒い目の人種よりも眩しがる」というふうに目とも関係していることです(※2)。
サングラスを例に取って言えば、「黒い目の日本人はファッションとしてサングラスをかけることが多いですが、青い目の欧米人にとって、サングラスは目を守るための必需品というわけ」で、彼らは紫外線に気を付けねばなりません(※2)。
そして言うまでもなく、紫外線は目に限らず皮膚にも影響し浴び過ぎれば皮膚癌になったりもするわけですが、之に関しても日本人をはじめ有色人種は白色人種に比べて紫外線の影響が比較的少ないことがわかっています(※3)。
では、如何なることが目に良いかと言うと、やはり目を疲れさせないということが非常に大事なのだと思いますが、かと言って目が疲れるから読書をしない方が良いかと言えば、もちろんそういうことではありません。
先ず以て眼鏡を掛けている人は、その眼鏡がちゃんと自分の視力と合っているのかを調べねばなりませんし、そして眼鏡の有無に拘らず、全ての人が確かめねばならない重要なポイントとなるのは、目と本の間の距離がきちっと合っているのかということです。
やはり視神経が疲れてくると肩凝りや頭痛が引き起こされたりするわけで、第一に右左の目で違うことが多い自分の視力というものを適切に把握し、次に本を何処に置いて読んだら良いかといったことを、やはり眼科医ともよく相談して教えて貰い考えて行くということまで必要なのだと思います。
余談になりますが、一昨日も「『出光佐三の日本人にかえれ』刊行にあたって」というブログを書きましたが、出光さんは「小学校のとき視力を半減」した人で、87歳の時に当時No.1の眼科医と言われた慶応大学の桑原安治教授に白内障の手術をして貰いました(※4)。
そして、術後に看護婦の衣服等を見て「これほど白いとは知らなかった」と思ったぐらい初めてよく見えるようになったというわけで、中々目が悪く出光さんはそれまでそういうことが出来なかったようです(※4)。

参考
※1:日本警察犬協会 犬の知識あれこれ「犬の感覚器官
※2:快適視生活応援団 目の雑学「欧米人の青い目に憧れます。そもそも目の色の違いは何から生じるのですか?
※3:環境省 紫外線環境保健マニュアル2008「第2章 紫外線による健康影響
※4:Google ブックス「出光佐三反骨の言魂(ことだま): 日本人としての誇りを貫いた男の生涯




 

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