北尾吉孝日記

『張成沢処刑後の北朝鮮』

2013年12月18日 17:32
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昨日、「故・金正日(キム・ジョンイル)総書記の死去2年を迎えて中央追慕大会」が開かれた北朝鮮では「金正恩(キム・ジョンウン)第1書記が、叔父で事実上のナンバー2だった張成沢(チャン・ソンテク)元国防委員会副委員長を粛清」したわけですが、之は北朝鮮の政治経済全てが上手く行っておらず、いよいよ恐怖政治というものが始まったということを意味しているのだと思います(※1/※2/※3)。
15日の日経新聞記事にも張氏『失脚以降、北朝鮮の一般市民の間で「これまでにないほど緊張が高まっている」とし、「何か少しでも(治安機関に)疑われるようなことがあれば、捕まって殺されると、皆が恐怖でおびえている」』という「北朝鮮の貿易業者証言」が載っていましたが、最早恐怖政治を措いてあの国を支配するのが難しくなったということではないかと考えます(※4)。
2009年に行われたデノミ失敗一つを例に見ても、今回「民心が乱れるように背後で操った張本人もまさに張成沢である」として経済失政の責任を何から何までを彼に押し付け、そして義理とは言え「正恩氏の事実上の後見役を務めてきた」叔父にまで手を付けたということです(※5/※6/※7)。
「張氏に対する十二日の死刑判決文では、既に公開処刑された側近二人のほかにも、張氏が画策したとされるクーデター計画に加担した人物が、党や軍の内部に複数いることをうかがわせていた(中略)ため、粛清の嵐が幹部にまで及ぶとの見方」がこれまで支配的でしたが、上記した中央追慕大会に並んだ顔ぶれを見て「張氏周辺への粛清は限定的」との見方する人も出てきてはいるようです(※4/※8)。
但し、あの国の基本的な考え方というのは血統に基づいたやり方であって、だからこそ処刑された張氏の妻で故金正日総書記の妹、金敬姫(キム・ギョンヒ)氏につき『「ロイヤルファミリー」に悪影響が及ぶことを正恩氏が懸念した可能性』から、処刑直前に彼らを離婚させたというわけです(※9)。
我々日本人は、スターリン的な恐怖政治を敷いて行くであろう北朝鮮という恐ろしい国家が近くに存在し、現に核兵器を有しているということをきちっと認識すべきであり、今後如何なる展開を見せて行くかを注視すべきだろうと思います(※10/※11)。

参考
※1:2013年12月16日日本経済新聞『恐怖政治で「自前の王国」 金正恩体制2年の北朝鮮
※2:2013年12月18日朝鮮日報「金総書記死去2年:張成沢氏側近も追悼大会に出席
※3:2013年12月14日毎日新聞「社説:張成沢氏処刑 恐怖政治の闇を憂う
※4:2013年12月15日日本経済新聞『「皆が恐怖でおびえている」 北朝鮮の貿易業者証言
※5:2013年12月13日J-CASTニュース ビジネス&メディアウォッチ『張成沢氏に死刑執行、「大粛清」が進行 複数の党幹部処刑、副首相2人も中国に脱出説
※6:2013年12月14日東京新聞「北朝鮮No.2処刑 不安高まる金正恩体制
※7:2013年12月14日MSN産経ニュース「張成沢氏処刑 残虐な政権に警戒強めよ
※8:2013年12月18日東京新聞『金正日総書記追悼行事 北の粛清「限定的」
※9:2013年12月14日朝日新聞夕刊「故・金正日氏の妹・張氏、処刑直前に離婚か 韓国側も把握」
※10:2011年12月14日朝日新聞「(天声人語)3代目の恐怖政治
※11:2011年12月21日北尾吉孝日記『金正日後の北朝鮮




 

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