北尾吉孝日記

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年頭に当たって安倍首相は、「一年の計は、穀を樹うるに如くはなく、十年の計は、木を樹うるに如くはなく、終身の計は、人を樹うるに如くはなし」という、春秋時代の名宰相・管仲の言葉も引用する形で所感を出されました(※1)。
そして、その言葉に続けて『目先の課題への対応も重要ですが、十年先、百年先の日本の未来を切り拓いていくことも、忘れてはなりません。そして、そのためには、小手先の対応ではなく、将来のあるべき姿を見定めた、真の改革が必要です。(中略)人づくりこそは、「終身の計」。日本に生まれたことに誇りを持ち、高い学力と豊かな人間性を兼ね備えた人材を育んでいく。そのための教育再生を、着実に実行してまいります』と安倍首相は述べられました(※1)。
百年先を考えるというのであれば、当然のことながら人づくりをせねばならず、此の点について私も全く同感ですが、他方で「人を樹うる」べく具体的に如何にして「教育再生を、着実に実行」して行くかが書かれておらず、安倍首相には次の機会に是非この部分に関して詳しく述べて頂きたいというふうに思います(※1)。
安倍ノミクスの「第三の矢」を例に言えば、要するに言葉が踊るというのではなく、具体的にそれが如何なる規模の内需の誘発を狙っているのか、どれ程の消費・賃金の増加に繋がると期待しているのか、あるいは革新的なベンチャー企業の創成にどう繋がるのかが明示されねばなりません。安倍首相におかれても抽象論を超えて、是非ともこうした年頭所感に直ぐ続く形で具体的な方法論と実行プロセスを公表し、内閣あげての革新的な行動に結び付けて頂きたいと思うのです。
そういう意味では、一昨日韓国の朴槿恵大統領も「雇用創出力が高く、特に青年が好む保健・医療と教育・観光・金融・ソフトウェアなど5大有望サービス産業を集中育成する」と業種も明確にして発表していましたが、これも、どの程度の資金をどういうやり方で使い実現するのかといったことを詳しく、政策発表に繋げないと意味がないと思います(※2)。
一昨日掲載した『年頭所感』において、私は「前年までに胎動してきた革新への動きが、本年は因循姑息な旧体制の固い殻を破って大きく出現する年でありますが、その大きな転換的変化の動きに反対・反動する色々な勢力も内側から突き上げてくる年でもあります。その忤らう反対・反動勢力に対していかなる困難をも乗り越え、安倍首相が先頭に立ち政府自らが革新的行動をとらなければ、二、三年にして日本は収拾出来ないような混乱に陥りましょう」と書きました。
総論は皆良いのですが何時も各論といったところで反対があり、結局それが因循姑息になりがちでだらけてしまうというわけで、三本目の矢(成長戦略)を巡る昨年からの状況を見るに、此の甲午の年によくありがちな悪い方向に進んでしまいそうな気がしています。
従って安倍首相には、「戦後以来の大改革」が言葉倒れに終わらぬよう、何を如何に動かして行くのか、そのためにどの程度の税金を使うのかといった課題に対して、本年は具体的・革新的な形で全力投球して頂きたいと思う次第です。もちろん去年は色々な面で安倍内閣はよくやったと思っていますが、今年からがもっと重要なのです(※1)。

参考
※1:2014年1月1日首相官邸ホームページ「安倍内閣総理大臣 平成26年 年頭所感
※2:2014年1月7日中央日報『朴大統領の会見重要発言(3)経済…「円安、競争力高める契機に」




 

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