北尾吉孝日記

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正月3日に私は田端信太郎さんのツイート『一年前の2013年予想。「専門家」って凄いですねーーー!!! ー2013年マーケットを大予想 – 株価予想』をリツイートしましたが、先ず結果から言いますと昨年日経平均株価は「高値・終値(12月30日):16,320.22/安値(1月9日):10,398.61」となりました(※1)。
それに比して、上記「専門家」三者の日経平均の予想レンジがどうだったかと見れば、「高値:10,500~12,650/安値:8,500~9,100/終値:9,000~12,000」と、結果として確かに大きく外れたものとなりました(※2)。
要は「専門家」の予想は殆ど当たらないということですが、40年間以上に亘り株式市場、債券市場、金利市場など世界中のマーケットを見続けてきた私の経験等から言っても、全くその通りだと思っています。
では、そう言う私自身が相場をどう見ていたのかと振り返って見るに、昨年に限って言えば『2020年東京オリンピック開催決定後の日本~消費増税判断および経済株式展望~』(2013年9月19日)の中でも、「当ブログでも3月11日より日経平均株価16,000円説を出していますが、私の見通しでは年末までに少なくとも16,000円は軽く超えて行き、場合によっては18,000円位まで上がる可能性も十分あると見ています」と述べたように、紛れかもしれませんが意外と当たっていたかもしれないというふうに思います。
またより長期的には、例えば月刊誌『ネットマネー』に連載してきた私の日記的な小論の書籍化で、一昨年6月に上梓された『日本経済に追い風が吹いている』(産経新聞出版)の「論点10:2012年、日本株は上昇する」において、私は「割安な日本株が見直され株式市場は好転する」と題して「日本株の過去のパターンからいえば、たとえば2000年以降の日経平均株価の推移を見てもわかる通り、2000年4月から2003年4月の3年間は下落して2003年4月から2007年7月の4年強は上昇、そして2007年7月から2011年11月の4年強は下落するというように、だいたい3~4年で一つの上昇・下降のサイクルがあるような気もしています」と指摘したことがあります。
そして上記に続けて、「おそらく2011年11月を底に2~4年程度の中期的な上昇波動に入っているのではないかと見ています」と書きましたが、正にその通りに相場は動いて行っているのではないかと思います。
さて、本題の此の日経平均が今年一年如何なる展開を見せるのかに関して以下述べて行きますと、先ず高値については上述したような「専門家」の見方ではありませんが、年初の日経新聞記事によると「主要企業の経営者20人(予想平均・・・高値:18,625/安値:14,465)」の内5人は「00年以来、14年ぶりとなる2万円台の回復となる」と見ているようですが、私も場合によっては20,000円乗せというのは十分にあり得ると考えています。
此の「場合によっては」というのは、例えば中国において反日の動きが顕在化してき、貿易制裁を日本に科すといったことが現実化すれば、20,000円乗せというシナリオは狂うことになるといった意味です。
今週月曜日に掲載した『年頭所感』において、私は「日米とも今年も株式市場は活況を呈し、強くなりそうです」と述べましたが、そうした特別な悪い話が出てこないということに加え、中韓をこれ以上刺激せずに現況を少しずつでも改善するという状況に向かうことが出来たならば、今年の相場は割合強いと私は見ています。
そしてまた、本年4月に消費税率が8%に引き上げられ、来年10月には10%へと更なる引き上げが予定される中で、此の消費増税のネガティブインパクトを十分カバーするだけの「三本目の矢(成長戦略)」というものが、きちんと打たれるということが前提条件になるとも考えます(※3)。
私は上記した『年頭所感』で「安倍首相が先頭に立ち政府自らが革新的行動をとらなければ、二、三年にして日本は収拾出来ないような混乱に陥りましょう」と指摘し、更に昨日のブログでは『安倍首相には(中略)何を如何に動かして行くのか、そのためにどの程度の税金を使うのかといった課題に対して、本年は具体的・革新的な形で全力投球して頂きたい』と書きましたが、此の革新的行動をとるというのは正に此の「第三の矢」で何を如何に具現化して行くかということです。
黒田「日銀は昨年4月4日の量的・質的金融緩和の導入時に、金融緩和策の一環としてマネタリーベースの残高を13年末に200兆円、14年末に270兆円まで増やす目標を掲げて」おり、昨年末の「残高は201兆8472億円と10カ月連続で過去最高を更新し(中略)予定額200兆円を上回っ」たというわけで、昨年見られたように三本目の矢が折れて行くというような状況にでもなれば、異次元緩和の後遺症ばかりが出てき、近い将来日本経済は大変な副作用に悩まされることになるでしょう(※4/※5/※6)。
次に日経平均の高値・安値の時期ということで言うと、例えば上記した日経新聞記事の経営者20人の見方では、「安値時期については6月を中心に年前半~年央に偏る一方、高値時期は11~12月で17人にのぼる」ということですが、私自身は全くそういうふうには思っていません。
例えば、先月27日に出した住信SBIネット銀行株式会社の「預金総残高3兆3,000億円突破のお知らせ」というプレスリリースにも書きましたが(※参考-預金残高と口座数の推移)、今『SBI証券での取引に利用可能な「SBIハイブリッド預金」残高』の増え方、つまり何れ株取引に向かうそうした待機資金の存在一つを見ても、年前半から年央に安値を付けるというような世界にはならないだろうと思います。
それから、先週木曜日にも「NISA口座数、400万超す 高まる個人の投資意欲」という記事が日経新聞にありましたが、いよいよ本格的にNISAの投資が始まって行くということがあります。
当該記事において「既存の投資家を多く抱える野村証券は1社で100万口座を獲得」したと書かれており、SBI証券としては400万口座の10%程度、約40万口座を獲得できるという感触を今得ているわけですが、此のNISAによって貯蓄から投資への非常に大きな動きに繋がって行くと考えます。
即ち、相場が良くて之で儲かるということになってくると、今度はNISA口座ではなく別の口座で株の売買をして行くという人が必ず出てきますから、そうした流れの中で貯蓄から投資への一番大きな動きとなって行くということです。
恐らく、先に述べた野村証券の100万口座はその殆どが既存顧客の流入、他方SBI証券の40万近くというのは新規獲得が非常に多いのだろうと思われ、そういう意味では野村証券や他のリアルの証券会社で取引している人が段々と株に慣れてくると、今度は皆ネットの証券会社に移行してきますから、NISAというのは非常に有難い制度だと思います(笑)。
本日、日経平均株価は前日比241円安(終値ベース)となり、冒頭で述べた昨年来高値から440円の下落となってはいますが、アメリカ経済も確実に良くなってきているようだし、私に言わせれば大慌てするような状況では全くなく、良い買い場を提供しているだけのことだと思っています。

参考
※1:2014年1月8日ロイター「UPDATE 1-今日の株式見通し=反発、米株高を背景に戻り試す展開
※2:Yahoo!ファイナンス「教えて達人スペシャル!達人の2013年マーケットを大予想
※3:2013年12月16日北尾吉孝日記『「5年2ヵ月ぶり円安水準」について
※4:2014年1月7日日本経済新聞「12月資金供給量、前年比46.6%増の193兆円 10カ月連続過去最高
※5:2014年1月7日ロイター「昨年末マネタリーベースは約202兆円、目標上回り過去最高更新=日銀
※6:2013年12月6日北尾吉孝日記『「安倍ノミクス」と出口戦略




 

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