北尾吉孝日記

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昨日のブログ『「都知事選2014」に思う』で安倍首相の「世界経済フォーラム年次会議冒頭演説~新しい日本から、新しいビジョン~」を一部引用して御紹介しましたが、今回のダボスにおいては此の基調講演を含め、安倍首相は沢山のことを世界に発信されました。
その最たるものが法人税改革の国際公約化であり、之に関しては勿論その他の発言内容についてもその殆ど全てが大変良かったと私は評価していますが、その中にあって唯一つ『外国メディア関係者と懇談した際、記者から日中の武力衝突の可能性を問われ「今年は第1次世界大戦100年を迎える年だ。当時英独は多くの経済的関係があったにもかかわらず第1次世界大戦に至った」と指摘。「質問のようなことが起きると日中双方に大きな損失であるのみならず、世界にとって大きな損失になる」と語った』と報じられていることだけが非常に悔やまれます(※1)。
ジャーナリスト達が書く見出しを見ると、どちらかと言えば上記した法人税改革の国際公約化を中心とした「アベノミクス」ということよりも、「悪化している現在の日中関係を、第1次世界大戦で対決する前の英独関係に例えて説明していたこと」の方に、フォーカスされてしまった部分があるように思います(※2)。
例えば、先週金曜日の朝日新聞記事には安倍首相の『発言を通訳が伝える際、英独関係の説明に「我々は似た状況にあると思う(I think we are in the similar situation)」と付け加えた。首相が英独関係を持ちだした意味を補ったとみられる。この通訳は、日本の外務省が手配した外部の通訳だったという』ふうにも書かれていますが、誤報であれ誤訳であれ今後のこうした通訳を付けてのインタビューの場合は、やはりもう少し海外のジャーナリストを意識した姿勢というものが必要かと思います。
取り分けダボスのようなインターナショナルカンファレンスにおいて、然も外国人ジャーナリストの前で喋る時は一層の注意が求められるでしょうし、そもそも通訳を使うということは誤った意訳が起こり得るわけですから、基本姿勢として誤訳が起らないような発言の仕方をするといった配慮が必要なのだということです。
そして続け様に、今度は日本国内で就任会見における「NHK会長の慰安婦発言」が大変な問題になっており、此の発言に至る過程でNHKの籾井勝人会長は「『コメントしない』とずっと言っていたようだが(記者側から)『どうしても』ということで『個人としてであれば』と言った。その後で(記者側から)『個人(の見解)というのはあり得ない』と言われ、『会長としてであれば取り消す』と言った」ようですが、之は言うまでもなく「今のは取り消し」ということで済む話ではないでしょう。まさに君子の言は『漢書』にあるように「綸言汗の如し」なのです(※3)。
池田信夫氏も自身のブログ記事「安倍首相はダボスでどう発言したのか」(14年01月24日)の結語に「公の場で首相がいうべきことではないだろう」と書いていますが、何れにしても日本国首相にしろNHK会長にしろやはりそうした公職に就く人は、公の場で話すこと全てが問われるのだという認識をきちっと持つべきだと小生自身改めて思いました。

参考
※1:2014年1月24日日本経済新聞『首相のダボス発言「真意は日中衝突回避」 世界へ説明
※2:2014年1月23日MSN産経ニュース「安倍首相、現在の日中関係を第一次大戦前の英独に例える
※3:2014年1月27日Yomiuri Online『NHK会長「慰安婦」発言、政府は不問




 

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