北尾吉孝日記

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今回ソチ五輪で「為せば成る 為さねば成らぬ」ということを現実のものとした葛西紀明選手は、皆が言うように正に「レジェンド」ということなのだろうと思いますし、あの銀メダル獲得は私にとって久方ぶりに感動する出来事でした。
読売新聞にも一昨日「葛西、最愛の母を火事で亡くし妹は闘病中」という記事がありましたが、初出場したアルベールビルオリンピックから22年の間、大変な状況に置かれながら一生懸命頑張り通し、そして7度目の五輪にして個人種目で初のメダルということで、唯々ご立派ですとしか言いようがありません(※1)。
葛西選手は「たぶん、45歳と49歳になる次の五輪とその次の五輪の時、自分の体力や技術はもっと向上していると思う。ここまできたら、行けるところまで行きたいと思っている」と言われているようですが、ひょっとしたら8度目となる平昌五輪でも本当にメダルが獲れるのでは、と私は期待をしています(※2)。
他方で、「2回のジャンプの飛距離点と飛型点を合わせた得点で争われ」たラージヒル決勝において、葛西選手は飛距離では金メダルを獲得したカミル・ストッフ選手を上回ったにも拘らず銀であったということで、此の結果に私は未だ納得できない部分があります(※3)。
之に関して長野五輪の金メダリスト・船木和喜さんは、「テレマークの差です。ヨーロッパの選手は足が長いから腰の位置が高い。点数が出る」という解説をしているようですが、柔道等でも過去見られたように日本が強くなると何時も、諸外国は日本にメダルを獲らせぬよう直ぐにルールを変更しているような気がしてなりません(※4)。
葛西選手ご自身も『「結局、飛型点の差でしたね」と苦笑した』と報じられていますが、飛び方が美しいか否か等々と様々考慮して余りに細かく点数を付け出しますと、そこに恣意性が入り込んだり公平性が損なわれたりして、何かややこしく感じられるのは私だけでしょうか(※2)?
故に私としては、飛距離のみで点数を付けるという一番シンプルな形に出来ないものかと思うわけで、今回なぜ葛西選手が金にならなかったのかを私が理解できるよう説明してくれる解説者もいなければ、今誰もが納得できるような明確なルールというものがそこにあるようにも私には感じられません。
更に踏み込んで言えば、例えば開催国ロシアがモーグルのコブをロシア人選手に有利なように作ったとか、あるいはオランダ勢が圧倒的強さを見せたスピードスケートのリンクはオランダの製氷技術者が担当だった、といったことも言われているように、本当に公平公正な形で各国選手は競い合うことが出来たのかという疑念も生じます。
歴史を振り返ってみても、1988年のソウルオリンピックにおいても不可解な結果が随所にあったわけですが、その一方で日本というのはそういうところに対して常に綺麗すぎるぐらい綺麗で、一切そうしたことを考えずフェアプレーに徹する世界でも珍しい国だと思います(笑)。
何れにしても、葛西選手が今回金メダルではなく銀メダルになったということに関して、「あれは銀で当然だ」というふうに言われる人がいましたら、如何なる見方をすれば銀が妥当という結論に至るのかを是非とも教えて頂きたく思います。
最後にもう一つ、金メダルの期待度が非常に高かった高梨沙羅選手が残念ながら4位に終わったということについて一言、今回17歳で五輪に臨んだ彼女のような若い選手に対しては、どれだけの実績があろうともマスコミも余り騒ぎ立てない方が良いのではないかと感じます。
葛西選手のように年齢を重ね、ある程度そういうものを克服し得る人間が出来上がっていれば問題ないようにも思いますし、また「スノーボード男子ハーフパイプ(HP)で、日本の冬季五輪史上最年少でメダル獲得を果たした平野歩夢選手」のように、揚揚として飄飄たる若者なら良いのかもしれませんが、未だそういうレベルに達していない若い選手にあっては、余り騒ぎ立てると駄目になるケースが結構ありますから、基本的に「メダル、メダル」と煽り過ぎるべきではないだろうということです(※5)。
不運の高梨沙羅、「追い風」に負けた 風向きによる点数加算も微々たるものだった』という記事もあるように、高梨選手の場合は今回たまたま運が無かったということなのかもしれませんが、何れにしても若い選手は静かに送り出し、競技が終わるまで要らぬ重圧を掛けぬよう配慮することも大事ではないかという気がしています。
それは魁皇しかり稀勢の里しかり、散々「綱取り、綱取り」と大騒ぎされた後ガクっと成績が落ち、結局綱どころの話ではなくなるという大相撲の世界でよく見られるシーンと重なるように思います。

参考
※1:2014年2月16日毎日新聞『五輪ジャンプ:姉は涙、病床の妹に朗報・・・葛西「銀」
※2:2014年2月17日web Sportiva『【スキージャンプ】「次は金メダル」。葛西紀明の快挙で団体戦へムードは最高
※3:2014年2月16日NHK NEWSWEB「ジャンプ 41歳・葛西 悲願の銀メダル
※4:2014年2月17日J-CASTテレビウォッチ『葛西紀明「新しい目標できた」4年後の平昌五輪で今度こそ金メダルもらうぞ!
※5:2014年2月18日毎日新聞『ソチ五輪スノーボード:村上市新設「スポーツ特別栄誉賞」 「銀」平野選手にあす贈呈 /新潟




 

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