北尾吉孝日記

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今月10日、政治評論家・田崎史郎氏による『圧勝で舛添都知事を誕生させた自民党「菅・石破コンビ」の周到な情報戦略』という記事が現代ビジネスにありましたが、第2次安倍内閣の屋台骨を支えるという意味では、私は特に菅義偉官房長官が実に良い働きをしていると見ています(※1)。
今サブジェクトによっては、党と内閣とが若干対立気味の様相を呈しているように見られますが、また片方で例えば集団的自衛権の行使容認問題等に関しては、石破茂幹事長がどちらかと言えば右の人ですから(笑)、色々な所で安倍首相と合う部分もあるのだろうと思います。
党と内閣との政策に一致点を見出し難いかもしれないとして私が今最も危惧しているのは、昨日閣僚会合が「大枠合意を実現できないまま閉幕した」TPPであって、農業に関する話し合いについても流石にそろそろ決着をつけたら良いのでは、というふうに私自身は思いますが、党としては中々そうは行かない部分もあるのだろうと思います(※2)。
あるいは、先日の日経新聞記事に「安倍晋三首相が意欲をみせる法人税の引き下げは賛成が44%で、反対の32%を上回った。聞き方が異なるが、法人税下げを聞いた昨年9月の調査では賛成が44%、反対が40%だった」という世論調査の結果が載っていましたが、やはり之についても賛成意見が上回ってきている中であっても、党の中には反対する者が結構いるようです。
それは、財政健全化の目標達成ということを危惧しての反対、加えて、法人実効税率の引き下げ効果に対する懐疑ゆえの反対が中心なのだろうと思いますが、前者で言えば例えば、「税制改正の決定権を握る自民党税調は(中略)法人税率を1%下げると約5千億円、10%では約5兆円の税収減になり、それだけの代替財源を見いだすのが難しい」という理由を挙げています(※3/※4)。
このように党と内閣との対立というのは、自民党という集団の中にもやはり守旧派的な存在がいることは事実であり、様々な改革の断行とりわけ「安倍ノミクス」の第三の矢を放つに当たって、妨げになるということは今後も多数表出してくることでしょう。
先月22日のブログ『新成長戦略と国家戦略特区』でも、私は「昨年と同じように今後策定される此の新成長戦略を骨抜きにしようと、あらゆる分野に蔓延る抵抗勢力が彼方此方から出てきて、旧態依然とした既得権益を守るべく必死に抵抗してくるであろうことが懸念されますが、先ず以て此の特区を活用して行くということは、そうした勢力をある意味少し弱体化させる上でも非常に有効だと考えます」と述べましたが、雇用等の岩盤規制と言われる問題に対しても勇気を持って断行するという姿勢なかりせば、第三の矢は結局何の成果も残せず終わってしまうということにもなりかねません。
他方、本日の日経新聞にも「集団的自衛権、自公協議へ 憲法解釈変更調整難しく」という記事がありましたが、此の一枚岩になっていない自民党のみならず今連立を組む公明党と内閣との関係においても、集団的自衛権の問題等でしっくり行かないような部分がやはりあります。
例えば、昨日の日経新聞記事に『民主、日本維新の会、結いの3党の保守系議員らでつくる議員連盟「外交・安全保障政策研究会」』(会長:民主党衆議院議員・長島昭久氏)に対して、「政府・自民党側には議連の一部メンバーと連携を探る動きもある」ということも書かれていましたが、ひょっとしたら安倍首相は「みんなの党」をどうして行くかを考えているのかもしれない、と私自身は見ています。
先日行われた党大会において「渡辺喜美代表は、安倍晋三首相が目指す集団的自衛権の行使容認を支持する考えを示し、政権への協力姿勢を鮮明にした」わけですが、これから安倍首相が行おうとしている大改革の断行時に、此の渡辺喜美という政治家が安倍首相にとって一番頼りになる可能性をある面で有する政治家だと思われ、私としてはその部分で如何なる展開が見られるかというところを今一つ注視しています(※5)。

参考
※1:2014年2月4日日本経済新聞「たたき上げの都会派、菅義偉官房長官の本質
※2:2014年2月26日日本経済新聞「要の日米、対立解けず TPP閣僚会合閉幕
※3:2014年2月13日SankeiBiz「法人減税に慎重姿勢崩さぬ自民税調 政府・与党内で駆け引き激化も
※4:2014年2月21日日本経済新聞『「法人減税でも税収増」議論 経済財政諮問会議
※5:2014年2月23日北海道新聞「渡辺代表、政権への協力姿勢鮮明 みんなの党大会で




 

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