北尾吉孝日記

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ビル・ゲイツさんは、「同じ決断を二度するな。最初の決断に十分時間をかけて確固たる判断を下せば、二度と同じ問題を考えなくて済む」と言われているようです。
世界でも指折りの成功者であり世界一の富豪であるビル・ゲイツさんに反論するのは非常に恐れ多いとは知りつつも、率直に申し上げれば私としては必ずしもその考え方が正しいとは思いません。
そもそもが「同じ決断を二度する」ということ自体がないと思われ、寧ろ「十分時間をかけて確固たる判断を下」したはずの「最初の決断」が間違っていたと思う時は直ちにやり直さねばならず、それは「同じ問題」でも「同じ決断」でもないのだろうと思います。
昨年5月のブログ『決断と応変』において、私は『「一度決断した事柄は二度と変えない」とか「決断に誤りがあることを認識しても変更しない」といったことはどうかと思います。(中略)「成功するまでやり抜け!」と言う人も多くいますが、私はそれに反対でもっとフレキシブルに対処すべきだと考えており、「状況が変われば、それに応じて変われば良い」というふうに思っています。『易経』にあるように「窮すれば即ち変ず、変ずれば即ち通ず」です』と書きました。
あるいは『不確実な世界と共に生きる生き方』(13年7月26日)では、『「策に三策あるべし」として少なくとも三つ位は常に用意して(中略)「現状で判断する限り、三策のうち第一の手としてはA案を打つのが最も良いだろう。しかしA案を全力投球して行く中で、環境変化によってはB案やC案への切り替えも検討しよう」といった形で手を打って行くという考え方』が大事だと述べました。
要は未知の事柄に対して判断して行くという場合、先ずはA案・B案・C案といった選択肢を持ちながら歩む道を決するということが必要で、決めた後は時機を失せぬよう兎に角その道を必死になって前進しつつも、臨機応変に方向転換もして行くということが肝要だと思います。
時間を掛けたからと言ってその判断が正しいとは限りませんし、直感的に頭の中に描かれたことが正しいということもあるわけで、結局のところ時間を掛けるか否かといった問題ではないでしょう。
常に連続する環境変化の中でディシジョンメイキングの正否を考えてみた場合、例えばある時点では世の変化をある意味先取りした正しい道を選んだと思っていても、結果において“too early”だったということもよくある話です。
状況をよく見つつ様々な事柄を試してみて初めて結論が出るということもあるわけで、誤りを認識したその時に直ぐに代替案に移行出来る柔軟性こそが大事だと思いますから、私自身は上記したビル・ゲイツさんの考え方に与するものではありません。




 

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