北尾吉孝日記

『踏み絵としてのTPP』

2014年4月23日 12:57
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明日の日米首脳会談に向け「交渉の前進」を図りたいと連日報道中のTPPに関して、私は当ブログでも、その早期妥結の必要性を何年も前から一貫して主張し続けてきました。
先々月のブログでも、党と内閣との政策に一致点を見出し難いとして、此のTPP問題の進捗を非常に危惧しているというふうに指摘しました。
農業一セクターの利害を守る、延いては自らの議席を守るというように、国家の存亡よりも自分の地位を大事に思う代議士には、その職を辞して貰いたいと心底から思います。
此のTPPに賛成するか否かが一つの踏絵だと私は思っていて、次期総選挙では之に反対する議員に対して国民は投票すべきではないでしょう。
778%もの関税が課されているコメのみならず、小麦(252%)や砂糖(328%)あるいはバター(360%)にまで高関税が課されている現況において、一体何故そこに反対する理由があると言えるのか私には理解出来ません(※1)。
例えば朝日新聞の世論調査(19、20日実施)でも、TPP参加に「賛成52%/反対25%」という結果が出ていましたが、TPP不参加を喜んでいるのは第一次産業従事者だけだと思われ、少なくとも私の周りで喜んでいる人は誰一人としていません(※2)。
昨日の経済教室では日本にとってTPPが如何に大事かが、アダム・ポーゼン氏(ピーターソン国際経済研究所所長)により説かれていましたが、彼も言うように「日本国民の大半は、現在の農業保護政策によって、苦労して得た所得が実質的に盗まれていることに気づいている」のだろうと思います。
彼はまた同記事で、「外国の高品質の農産品を現行価格の数分の一でたやすく輸入できるにもかかわらず、国内産・外国産両方の農産品に途方もない値段を払わされているのだ」という指摘も行っていましたが、こうした農産品こそどんどん輸入すべきものだと思うのです。
それを食料安全保障だ何だと言い、嘘八百なカロリーベースの食料自給率を掲げる輩もいるわけですが、浦田秀次郎氏(早稲田大学教授)も言うように、「農産品の自由化は食料品価格の低下を通じ、所得の伸びていない日本の消費者、特に低所得者に大きな恩恵を与えること」も忘れてはなりません(※3)。
この辺りの話については、1年前のブログでも下記の通り指摘したことがありますが、ここぞとばかりに「黒船来襲」と脅威を煽り、国民を可笑しな方向に揺さ振って行く族議員の影響力は徹底排除すべきです(※4)。

【そもそも国民の経済的利益ということを考える場合、グローバリゼーションという既成事実の中で農業の生き方を摸索して行く時代にあって、最早「日本の農業が壊滅する」などという議論はout of the questionです。
日本の「総農家数は、1960年の606万戸から2010年には253万戸へと半分以下に、農業就業人口は60年1454万人から12年251万人へ実に83%も減少し」、そして「今では、GDPに占める農業の割合は1%に過ぎない」にも拘らず、農村地域の既得権益代表者である農水族議員等は国益という言葉を持ち出して、「TPPが食料安保を脅かす」と騒ぎ立てるという始末です。
また、日本の将来にとって重要な政策課題ということではエネルギー政策もその一つでありますが、例えば日本が食料とエネルギーの自給を迫られる場合を考えますと、食料は日本が国土を有する限りにおいてある意味日本でも何とかし得る問題と言える一方、エネルギーに関してはそうは行かないという状況もあるわけです。
そうした性質を帯びる「原油の99.6%を海外からの輸入に依存して」いるという中で、その供給停止リスクを叫ばずに食料に対し大騒ぎしている族議員は余りにも滑稽極まりなく、そしてまた日本という国が一体どれだけ多くの食料を無駄にしているのかという状況を十分に弁えることなく、彼らは軽々にものを言うべきではないでしょう。】

国会議員たる者、最早くだらない議論は早急に止めて、日本という国の立場からの議論を戦わせるべきです。
国家のため身命を投げ打って尽くし、本当に国を引っ張って行くことが出来る人物こそ、指導的立場に就くべきです。
今、私は強く申し上げたい、「国会議員は国士たれ」と。

参考
※1:2014年4月22日日本経済新聞朝刊「牛・豚肉ぎりぎりの調整 TPP 日米実務協議が再開」
※2:2014年4月15日NHK NEWSWEB「NHK世論調査 TPP賛成31% 反対14%
※3:2014年3月21日日本経済新聞朝刊「TPP問われる日本(下)早稲田大学教授浦田秀次郎氏――世界貿易・投資の低迷防げ、日米首脳、早期決断を(経済教室)」
※4:資源エネルギー庁_エネルギー白書2013 – 第2部 エネルギー動向「第1章 国内エネルギー動向 第3節 一次エネルギーの動向




 

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