北尾吉孝日記

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今月13日、政府の有識者調査会は中間報告書「未来への選択 - 人口急減・超高齢社会を超えて、日本発成長・発展モデルを構築 -」にて、「日本経済の活力を維持する観点から50年後も1億人程度の人口を維持すべきだと」する提言を纏め、そのために「合計特殊出生率を、現在(2012年)の1.41から、今後20年程度で人口が減らない水準である2.07まで引き上げる」という想定を出しています。
上記報告書にあるように、出生率を上げるのは言うまでもなく大事ではありますが、他方日本という国には1000人当たり8人程度しか「永住外国人」がおらず(2013年末時点)、先進諸国では考えられないほど極めて少ないのが現況です。
之は残念ながらインターナショナルな国とは到底呼べるような状況ではなく、人口減少に歯止めをかけるという意味でも、上記報告書で「詳しい言及は避けた」移民というものにやはり真正面から向き合うべきだと私は考えていますが、此の話をすると何時も日本人は直ぐに「治安が悪くなる」といった類の議論を始め勝ちです。
ただ私に言わせれば、日本人がより心配しないといけないのは、グローバリズムが進展の一途を辿る此の世界の中で、日本が世界の常識を踏まえず更に特殊な国になって行くということであり、日本人として寧ろ警戒せねばならないのはそちらの方だと思います。
先週金曜日『日本人にかえれ~日本の常識は世界の非常識~』というブログの結語として、「我々一人一人が我々に内在するDNAに働き掛け、日本民族のアイデンティティを確認し、真の国益に向って世界の国々と友好的な協力関係を結びつつ、我々日本人の特質を活かし世界の為に貢献しなければならないのです」と書きましたが、今後日本はあくまでも多様性に富んだグローバルな国として、日本人の民族的特性を活かしながら国際貢献する中で生き残って行かねばなりません。
「此の日本人、一体如何なる民族か」と歴史に遡って十分認識しながら、その日本人の強みというものを世界の繁栄の為どんどん活かしつつ、日本もグローバリズムの中で繁栄して行くのが在るべき姿勢というものであって、日本が必死になって今後バースレートを2.07まで引き上げたところで、何とか維持されたその人口1億人が世界の非常識ばかりを貫くのであれば、国際社会の中で生きては行けないのです。
そういう意味では今月12日、国家戦略特区諮問会議の民間議員が「外国人活用、特区で拡大提案」したのは大いに結構なことだと思いますし、私の年来の主張である選択的移民を図るということ、つまり「独・仏のような選択的移民政策の積極導入を早急に図り、知識レベル・教養レベルが比較的高い水準にあると思われる人、あるいは専門的な技能・能力を身に付けた人に限って、先ず以て日本に入れて行くということ」を具体的に考えるべきです。
現在の日本における生活環境の問題(e.g. 住居の狭さ)や、日本経済の将来に対する漠然とした一種の不安感、あるいは『少子高齢化時代における社会保障制度の在り方』への高まる懐疑、そして未だ解消されずに騒ぎ続けている待機児童の問題等々、こうした課題の数々がクリアにならない日本という国で、幾ら「出生率を2.07まで高めましょう!」と言ってみても、果たして本当にバースレートの上昇が実現できると言えるのでしょうか。
更には片一方で、今や「草食男子」「肉食女子」といったことも様々言われ、片や「別に一生結婚しなくても…」と多くの男女が思い結婚観も大きく変わってきているという現況の中、上記した掛け声は良いのですが具体的な少子化対策を打つとなればまた「数兆円規模の財源が必要」になりますし、その環境整備にはお金だけでなく色々な知恵というものも必要になってきます。
あるいはもっと言えば、次第次第に日本人の男性が草食に・女性が肉食に変質していると仮定すれば、これから女性の社会進出がどんどん加速して行くという中、「夫は外、妻は家庭」という伝統的な考え方について更なる変化が齎されるだけでなく、良い悪いは別にして日本も香港のような国になってしまうことすら有り得る話でしょう。
香港の女性というのは物凄く強いのですが、何故そうであるかと言うと、ある香港の人の説明(私は裏付けをとっていませんが)では、一つは男性が腑抜けであったが為100年もの間英国に租借地支配されていたということから、そしてもう一つは香港がファイナンシャルセンターとして世界的な地位を築いたが為、外資系の金融機関において女性が秘書として割合高給で雇われていたりして、一般的労働者の場合女性の給与が男性より高い(?)ということからだそうです。
その一方で香港の男性はと言えば、建設現場でずっと竹の棒を組み合わせて働いているだけといったものですから、中々職もありませんし給料も非常に低いということで、近い将来の日本においても総じて男性が経済的にも女性に負け、妻が亭主に対して「低い給料ね。あんたはもう養ってられないわ」と、「三行半」を突き付けるような厳しい局面に差し掛かることもないとは言えないのでは(笑)?




 

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