北尾吉孝日記

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学校法人産業能率大学が毎年実施している恒例調査「新入社員の理想の上司」について、先月16日の日経新聞記事には、その17年間の結果を基に「理想の上司像」に見る時代の変遷が書かれていました。
此の記事内容や調査結果は兎も角、どういう人が「まともな上司」であるかに関しては、私が思うところ『論語』にある3つの言葉に尽きると思われますので、本ブログにて以下該当の章句を御紹介しておきます。
第一に、「其の身(み)正しければ、令(れい)せざれども行わる。其の身正しからざれば、令すと雖(いえど)も従わず」(子路第十三の六)という孔子の言、つまり皆に先達て身を修め実践し、口先ではなく体で語り後ろ姿で導く人です。
此の率先垂範ということでは、『最高の熱意を持つ~指導者の第一条件~』(12年8月13日)でも述べた山本五十六元帥の言葉、「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ」もありますが、自らがやってみせねば熱意など部下には伝わりませんし、その人自身が本当に熱意を持っていることにもなりません。
第二に、先月12日のブログ『政を孔子に問う~深沈厚重、是第一等資質~』冒頭でも御紹介した、「これに先んじ、これを労す。益(えき)を請(こ)う。曰く、倦(う)むこと無かれ」(子路第十三の一)という孔子と子路のやり取りに表れる人です。
即ち、孔子は「これに先んじ、これを労す…上に立つ者の基本的な姿勢として部下に先達て働き部下を思いその労を労うのが大事だ」と答え、子路が更に教えを請うと「倦むこと無かれ…途中で倦きることなく最後までずっと之を続けて行くことだ」と言っています。
第三に、「君子は人の美を成す。人の悪を成さず。小人は是れに反す」(顔淵第十二の十六)という孔子の言、つまり「美点凝視」にこれ努めその「人の美」を追求し、褒めてやりながら益々それが良きものになるようサポートする中で、自然と悪いところを目立たなくさせようとする人です。
逆に所謂「小人」の器の馬鹿な上司というのは「人の悪」だけを見るばかりですから、部下の欠点も直らなければ上司・部下の関係もゼロになるわけで、そういう人になったら終わりと言うしかありません。
此の第三に関しては嘗てのブログ、『学ぶということ』(13年8月16日)や『長所を伸ばすべきか、短所を直すべきか』(13年11月5日)で詳述済みですので、御興味のある方は是非そちらを御読み頂ければと思いますが、何れにしても以上三点「まともな上司」とは『部下の成長を心から望み、その為に自らの「知」と「行」を通じて尽くす人』のことだと言えましょう。




 

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