北尾吉孝日記

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雑誌『GOETHE』7月号の記事「DESIGNという武器」の中で、筆者は「日本の空港はイマイチ(中略)。決定的な要因は空港が機能でしか捉えられていないこと」という指摘を行っています。
そして、「デザインという偉大なるパワーをもっと意識するだけで、企業や商品の行く末は大きく変わる」とも述べており、それはそれで一理あると思いますし一つの考え方だとは思いますが、機能性とデザイン性の境というのは常に難しい問題です。
例えば、クェート国際空港の旅客ターミナルは日本が誇る建築家・丹下健三氏がデザインしたものですが、嘗て私はその飛行場へ行く機会があり実際体験してみて思ったのは、「何て効率が悪いんだ。全く機能的じゃないなぁ」ということです。
つまり、先月のブログでも何事につけバランスが必要であり、バランスの中から調和が生まれてくると述べましたが、デザイン性に片寄るとか機能性だけに片寄るというのではどちらも駄目で、デザイニングでも機能性との調和が大事だということです。
また、両者の違いということで言えば、デザイン性に関しては必ずしも一般性というのはなく、Aさんにとって「これ良いね!」と思われるものでも、Bさんには「何だこれ?」と思われるものがあります。
他方、機能性に関しては必ずしもそういうものでなく、Aさんが良いと思うものはBさんにとっても良く感じられ、少なくとも相対的には一般性があるものだと言い得、それ故そうした違いから考えても、そもそもデザインというのは非常に難解だと思います。
今、人気の商品と言ってみても、今は人気かもしれませんが永続性を有しているわけではなく、直ぐに消えて無くなるかもしれない流行り廃りの世界がそこには有り、そしてまた、上記した通り「何が本当に良いデザインか」は人によって千差万別で、その評価は結構変わってくるものでありましょう。
但し、そういう中にあって一つだけ確実に言い得るのは、機能性とデザイン性の調和が重要であるということ、常に一方に偏ってはいけないと考える必要があるということだろうと思われ、やはり空港のデザイニングに関しても、『論語』が一番大事だと教える中庸や調和を追求すべきだと私は考えています。




 

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