北尾吉孝日記

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アキュセラ社CEOの窪田良さんのインタビュー記事、「リスクを取らなければイノベーションは生まれない~世界一億二千万人の失明を救う夢の新薬開発を目指して~」が『致知』の2014年7月号に載っています。
窪田さんはその中で、『化合物を調べていく時には、社員はみんな不安だからあれも調べたい、これも調べたいって思うんです。(中略)だから、「もういい。この道で行く」と私が言い切った。(中略)捨てる勇気を持って、全社員を一つのベクトルに揃えていくことが大事だと思います』と述べています。
耶律楚材(やりつそざい)も「一利を興(おこ)すは一害を除くにしかず。一事を生(ふ)やすは一事を減らすにしかず」と言うように、此の捨てるとか省くということは何でも彼んでも付け加えることよりも大事にせねばならない思考であって、私は経営者として何時も此の言葉を頭に入れています。
我々は絶えず問題を省(かえり)み、そして省(はぶ)くことの意味を噛み締めて行かねばならないわけですが、それは害となる恐れのあるものを減らして行くということかもしれませんし、また如何にすれば他のものが増えるかという観点から何かを減じた方が良いということかもしれません。
人間が一度に出来ることは限られているからであって、だからこそ例えば昔から「二兎を追う者は一兎をも得ず…If you chase two rabbits, you will lose them both」という西洋の諺があったり、あるいは『列子』にも「大道は多岐(たき)なるを以って羊を亡(うしな)う…大きな道には分かれ道が多い。だから逃げた羊の姿を見失ってしまう」という言葉があるわけです。
つまり、省く・捨てる・消すといったことがちゃんと出来ないと「多岐亡羊(たきぼうよう)」となって本質を見失い、結局どこに向かって何をしているか分からないようになってしまうということで、それ故一定の期間内に何が本当に良いものかを取捨選択する必要が出てきます。
例えば、此の「選択と集中」を世に広めた経営者として米GE社元会長のジャック・ウェルチという人がいますが、彼がそう出来たのはそれだけ広大かつ多様な事業規模を有していたからであり、同時に業界のNo.1やNo.2を創り上げてきたからこそ言える話でもあるわけです。




 

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