北尾吉孝日記

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『経営者通信』32号(2014年6月号)よりの抜粋記事、「経営を単純化して着実に戦略を実行せよ」が、経営者通信Onlineで公開されています。
之は、松本晃・カルビー株式会社代表取締役会長兼CEOに対するインタビュー記事でありますが、その中で松本さんは「経営者の仕事は夢づくりです。ぜひ従業員がワクワクするようなホラを吹いてください。たとえば、柳井さん、孫さん、三木谷さんは“大ボラ吹きの大夢語り”でしょう?」と言われています。
国語辞書を見ると、法螺(ほら)吹きとは「大げさなでたらめを言ったり、大言を吐いたりする人」とあります。ホラ吹きと称される者は、普通誰も語らないはずの現実妥当性なき事柄をぺらぺらと喋る人を指して言うのだと思います。
例えば、ある時期私は孫さんと一緒に仕事をしましたが、孫さんがホラ吹きだというふうには全く思いません。あるいは、必ずしも私がコメント出来る立場にはありませんが、ソフトバンクの役員会で暫く御一緒した柳井さんもホラ吹きだと思いません。また、そういう意味では三木谷さんも同じかもしれません。
明治維新前夜の人物の中で私が最も偉大だと思っている、吉田松陰の至言「夢なき者に理想なし、理想なき者に計画なし、計画なき者に実行なし、実行なき者に成功なし。故に、夢なき者に成功なし」を、当ブログでも嘗て御紹介したことがあります。
事業家であれ何であれあらゆる事は夢から出発し、夢を持たないことには理想もなければ計画もなく実行もなければ成功もないのですが、基本的にホラと夢というのは違っていて夢とは具体的実現性が必ずしもないものではありません。
例えば、孫さんは創業当初たった2人のアルバイトに対して、「豆腐屋さんの心意気でやるぞ!豆腐を1丁、2丁と数えるのと同じように、1兆、2兆と数えられるような規模の会社にする。これからはコンピュータの時代が来る。情報革命で、すべてが圧倒的に変わる時代がくる。そのためにやるんだ」と言われていました。
之は孫さんの夢というより願望・希望であったとも言えますが、片方で世の中確実に「デジタル情報社会」に向かって進んで行く、という彼のビジョンには予見性があって、その分野での事業を展開するのですから、その分野が飛躍すればその事業は飛躍する、と想定したのもまた妥当だと思うのです。
デジタル情報革命というのは私がソフトバンク在籍時、孫さんが「全社を挙げてあらゆる経営資源をインターネットに」と言われて取り組み始めたものですが、我々は此の大革命でデジタルの世界が「シンカ(深化・進化)」し、大変な広がりを見せて行くに違いないと考えて共に歩み、そして今日それが現実となっているわけです。
つまり、孫さんや私がやってきたこと・孫さんが語っていることというのは、決してホラでなく一種の確信に因るものであって、それは現実に進んで行く方向を正確に予見しているだけのことだと言えなくもないでしょう。




 

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