北尾吉孝日記

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アルベルト・アインシュタインの言葉に、「創造力は知識より重要である…Imagination is more important than knowledge」というのがあります。
新しいものを初めてつくり出すべく、発想や着想が良いは往々にして『あらゆる事柄において「自分ならどう処すか」と主体的に捉え、選択肢を常に考え続ける人』であるように思います。
それは例えば、小説を読むにしてもただ単に読むだけでなく、「その場面に直面したら自分ならどうするか」と常に考えて頭を使いながら読んで行き、そして選択肢を様々考えるような人を指しています。
また、1年前のブログ『不確実な世界と共に生きる生き方』でも、成功確率などというのは元々極めて低いものであり、A案が駄目ならB案、B案が駄目ならC案というように、「策に三策あるべし」として、少なくとも三つ位は何時も用意して置くのが大事であると述べました。
何事にあっても色々な選択肢を自ら主体的に出して行くような人は、そこに自然と新たなる発想というものが齎される確率が高くなるわけで、そうした思考法に慣れるためトレーニングを積んで行くことが一つ重要だと思います。
それからもう一つ、先天的に発想力や着想力に長けている人も勿論いるにはいますが、それは非常に稀で私自身も殆ど見ることがなく、やはり新しい発想や着想といった類の多くは基本色々なところにそのヒントを得ていると思います。
例えば、拙著『仕事の迷いにはすべて「論語」が答えてくれる』(朝日新聞出版)では、人間の思弁というのは、ある日突然全く独創的な発想がパッと浮かぶようなものではないと書きました。
それは先哲が残した思考の営みの上に、新たな思考を重ねながら深化して行くものであり、ドイツの哲学者ヘーゲルが孔子の影響を受けて、正反合(ヘーゲルの弁証法における概念の発展の三段階。定立・反定立・総合)を思いついたとしても、全く不思議ではありません。
またビジネスという観点で言うと、新しいビジネスモデルを持った米国の様々なネット企業を見、それを日本の風土に合うよう作り変え日本に導入するといったケースです。
あるいは、例えば私が我社の創設の時に複雑系の科学の書物を読みながら、その二大命題すなわち「全体は部分の総和以上である」「全体には部分に見られない新しい性質がある」ということを企業組織に応用した場合、「如何なる展開が見られるだろうか。単一企業では成し得ないシナジー効果と相互進化による高い成長ポテンシャルが実現されはしないか」と考えるといった具合です。
新たに何かを作り出すとか新たに何かを考え出すといった類よりも、どちらかと言うとその時その時に様々な本を読むなどして色々なヒントを得、そしてそれを自分の置かれている現状にどう適用して行くか、という話が多いように思います。




 

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