北尾吉孝日記

この記事をシェアする

消費増税を受けて日本経済の先行きを心配する向きが増えているようです。IMFが10月7日に発表した最新の世界経済見通しで、今年の日本の経済成長率予想を0.9%とし、7月時点から0.7%ポイントも引き下げました。先進国の中で最大の下方修正となっています。
今というのは次の消費増税を決定する直前でもあり、アベノミクスとは一体如何なるものかが非常にシビアに問われるタイミングだと言えましょう。
農業一セクターの利害を守る、延いては自らの議席を守る一部の代議士の抵抗等がため、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)は何時まで経っても動きません。
更には、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)改革の具現化にしても何時までぐずぐずしているの?という状況ですし、法人実効税率引き下げにしても求められているのは何時までに何%下げるのかという具体論です。
「数年で法人実効税率を20%台まで引き下げることを目指す」(6月24日閣議決定)といった掛け声だけに終始して、今後も私利私欲に塗れた抵抗勢力に振り回され、やるべきをぐだぐだとやらずにいれば、アベノミクスはここで終焉を迎えることになるでしょう。
例えばNHK NEWSWEBの記事にもありましたが、先週木曜日「国内でのカジノ解禁に向けた法案を巡り、超党派の議員連盟が日本人の利用に一定の条件を付ける修正案をまとめましたが、公明党や民主党などには解禁に慎重な意見が根強く」今国会での当該法案の成立は不透明な情勢です。
大阪市長の橋下徹氏はカジノ誘致に推進の立場で、16日にも「法案が成立すれば、関連地域の都市戦略が動くきっかけになる」と主張していたようですが、此の橋下氏は今「ギャンブル依存症の懸念などから(中略)カジノを中心とした統合型リゾート施設(IR)の整備推進の動きを批判」する井戸敏三・兵庫県知事との間で意見対立が生じています。
橋下氏いわく「カジノだけを排除したって、兵庫県のパチンコはどうするのかという話になってくる」とのことで之は尤もな反論であり、私自身この日本でもカジノ産業を大いに育成すべきだと予てより主張し続けています。
2年半程前のブログ『日本におけるカジノ産業育成の考え方』でも指摘した通り、法の網の目を潜り抜けているような形で日本ではパチンコ業が営まれ続けていますが、それよりもちゃんとしたカジノ法案を通して、直接的にきちっとギャンブルというものを管理する体制を整える方が健全だと思います。
そしてそれは競艇や競輪等と同じように、国庫にとってかなりのプラスを齎し得ると考えられますし、また外貨獲得のため観光立国日本を目指すのであれば、カジノが大きく寄与するであろうことは言うまでもありません。
世界にはカジノ産業を導入している国が沢山ありますが、その一方で「日本では地域振興の切り札としてカジノ解禁を求める声が90年代から」ありながら、未だ以て法整備は為されていません。
その前後で様変わりしたマカオやシンガポールの例を挙げるまでもなく、仮に今回外国人に限ってのカジノ解禁であったとしても、世界からの観光客動員のパワーになるのは事実で日本経済を活性化する上でプラスに作用することは確かです。
しかしながら、此の日本という国には「パチンコによって世界のギャンブルマシーンの60%が集中」しており、また最盛期の売上規模30.9兆円(1995年)からは減少したものの未だ19兆円程のパチンコマーケットがあるわけで、肝心要の日本人がカジノに参加出来なければその経済効果は著しく減じられ、当該法案が通過しても殆ど意味を為さないことでしょう。
「日本人をカジノに行かせると中毒者が出てくる」といった議論を行う人がいますが、私として「換金プロセスに手間が一つ加わるだけでパチンコもカジノも一緒ではないか」とか、「所謂パチプロの類がいるようにパチンコも現金目的であるにも拘らず何ゆえ片一方だけがある意味健全な娯楽とされるのか」と思われ、全く理屈が通らない話ではと感じられます。
黒田「日銀は昨年4月4日の量的・質的金融緩和の導入時に、金融緩和策の一環としてマネタリーベースの残高を13年末に200兆円、14年末に270兆円まで増やす目標を掲げて」おり、先月末の残高は「252兆5845億円と、8月末(243兆4929億円)を上回り、2カ月連続で過去最高を更新」しましたが、之は日銀のアセットが膨んでいるだけの状況です。
つまり、いま問題とされるべきはインフレなどでなく、アベノミクスの三本目の矢(成長戦略)が折れて行かぬよう一つ一つに結論を出し、着実な政策実行に移す中で疲弊しきった地方を創生し、そして日本全体を再起動することです。
先に長々と述べてきたカジノ法案にしても今回、小細工なしで日本人もカジノが出来るようになれば、例えばタンス預金からの引き出しが起こって、ある意味日本経済にポジティブな効果を齎す可能性も出てきます。大阪でのカジノ解禁は経済基盤の沈下が著しい大阪の活性化に、具体的かつ実行性のある施策になると思います。
冒頭でも指摘したように、先ずはTPP・GPIF・法人実効税率に関する不毛な議論に終止符を打って早急に結論を下し、株式市場を立て直してアベノミクスのシナリオを狂わせぬようすべきであって、最後はやってくれるものと私自身は安倍首相を信じ期待しているところです。




 

(任意/公開)
(任意/非公開)

  • 小
  • 中
  • 大



Copyright © SBI Holdings, inc. All rights reserved.