北尾吉孝日記

『人間力が御縁を呼び込む』

2014年12月24日 15:50
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今月2日発売の『経済界』に「営業マンなら売り上げの方程式を持て。」という記事があり、「数式で使う≧の右側が想定売り上げ、左側がお客さま」で「このような数式が成り立つような人でなければ、会ってはいけない」ということが書かれています。
そして、上記に続けて筆者は「たくさんの人と会え、そうすれば数字は何とかなる」と「指導する上司はバカである」と述べているわけですが、効率的な営業法という観点から考えますと営業スタイルとして、此の筆者の言は正しいと言えるかもしれません。
野村證券株式会社のやり方を見ても分かるように、嘗て「高額納税者公示制度」が導入されていた時分、高額所得者や土地売却者の名簿等を使って営業をしていたわけで、こうした名簿が無ければ何所を闇雲に回って行くかという話になってしまいます。
株式投資などしそうもない人の所を回って幾ら名刺を集めてみても、それは殆ど役には立たず結果がついてはこないでしょうから、やはり営業で絞って言うならば「会うべきお客さまを絞り込むべし」というのは正しいのだろうと思います。
他方、営業ということと関係なしに、人間として付き合うべき相手を探すとか、自分の力を伸ばそうとかと考えるのであれば、時として御縁を広げるための努力もせねばならず、之は之で全く話が違ってきます。
柳生新陰流・柳生家家訓に、「小才は縁に出会って縁に気づかず。中才は縁に気づいて縁を生かさず。大才は袖振り合う縁をも生かす」という味のある言葉があるように、世の中には縁があるにも拘らず縁を生かせない人・縁に気づかない人が沢山いる一方で、「袖振り合うも多生の縁(=擦り合うも、触れ合うも、触り合うも)」と言いますが、僅かな縁をも生かせる人もいます。
仏教では「多逢聖因(たほうしょういん:色々な良い縁を結んで行くと、それが良い結果に繫がる)」ということが言われますが、やはり様々な人に御縁を頂くことが正に「縁尋機妙(えんじんきみょう:良い縁が更に良い縁を尋ねて発展して行く様は、誠に妙なるものがある)」に繫がって行くのです。
縁が広がれば広がる程良い仕事が出来るのは間違いなく、柳生家では小・中・大の才と絡める中で縁を生かすための条件が考えられているわけですが、私として縁が結ばれるのは単に才の有無の問題ではなく、その人が有する人間力が大きく影響するのではないかと思っています。
御縁というのは、自分に見合ったレベルの中で得られるものですから、立派な人と御縁を結びたいと思うのであれば、自分が日々の社会生活の中で事上磨錬し、人間力のレベルを上げて行くしかそれを呼び込む方法はないのです。




 

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