北尾吉孝日記

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本年のドル円相場に関する市場関係者アンケートの結果につき、「最も多かった回答が1ドル=125円で、44人中11人となった。ただ、昨年の予想が1ドル=110円がほぼ大半を占めたのと比較すると、1ドル=130円も9人おり、円安進行のメドへの見方が異なっている。このほか、1ドル=120円が7人と14年年末の水準とほぼ変わらないとの見通しも多い。また、1ドル=135円以上と大幅な円安を見込む意見もある一方で、1ドル=115円以下の円高を予想するのは計5人と極端な相場展開を予想する声も出ている」と、SBIグループの総合金融情報サイト「モーニングスター」のある記事に書かれています。
あるいは、株式会社SBI証券が実施した個人投資家を対象としたアンケートでは、『「ドル円(レート)の高値(円安方向)/安値(円高方向)について教えてください。」という問いに対しての回答を平均値化すると、最高値の予想は127.44円、最安値の予想に関しては110.20円となり、2015年のドル円相場に関しては、今年と大きく変わらないという予想をしているという』結果が出たようですが、皆様は此の相場展開を如何に考えておられるでしょうか。もっとも異時点間の為替の比較は購買力平価で見ないと意味がないですが、一般個人の為替のプレイヤーはそんなことは全く意識していないので、上記のような形で表面上の為替は推移するのではないかと思います。
私自身は07年6月に付けたドル高値、124円14銭が一つの節目になるのではと見ています。そして仮にそれを抜いてくるとなれば、今度は120円台というよりも、寧ろ130円位にまで一気に上がって行く可能性もあり得るような気がします。但し、当面は当該高値を抜いてこないのではないかと思っていて、それは大きく言って以下の観点より考えたことです。
年頭所感』(15年1月5日)でも指摘したように、3度の量的緩和の金融政策を受けて米国経済は堅調に推移し、遂には政策金利の引き上げが議論されるまでに正常化されてきました。此の利上げの実施時期に関しては、例えば「今年上半期中」(メスター米クリーブランド地区連銀総裁)とか「6月が濃厚」(コーン元米連邦準備理事会副議長)、あるいは「今年末まで何も起きない」という見方も多いようです。また「債券王」ビル・グロス氏などは、「15年中に短期金利の引き上げに踏み切ったとしても終盤になる」と考えているそうです。
私として恐らく7~9月期が有力ではないかとの見方で、その上げ幅は僅かなものだと予想しています。何故そう考えるかと言うと、やはり之だけ原油価格が下落している上、ドルが非常に強いという状況の下、輸入品が安くなり中々物価が上がってこないからです。つまり、イエレンFRBはインフレの心配などする必要なく、寧ろディスインフレを気にせねばならないのでは、と思うのです。従って米国の政策金利はこれから後、原油価格あるいは為替水準の行方次第で、大した上げ幅にしかならないか、ひょっとしたら当面上げないかもしれない、というシチュエーションに十分なり得るのではないでしょうか。FRBのバランスシートは量的緩和前後で5倍ぐらい膨らんだのですが、その適正化にはFRBは慎重を期すと思われ更にずっと先になるでしょう。




 

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