北尾吉孝日記

『壮心已まず』

2016年3月7日 15:45
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ゲーテの言葉に「年をとることは、何の秘術でもない。老年に堪えることは、秘術である」というのがあります。
人間誰しも皆公平に年一年、年を取って行きます。少なくとも肉体的には、確実に衰えて行くものです。しかし精神的に劣って行くかと言えば、必ずしもそうではありません。
私に言わせれば「老年に堪える」というのでなしに、そうした精神的な若さを如何に保って行くかが大事だと思います。
それは一つに心の持ち方であり、もう一つは努力の仕方に拠るものです。50代では50代の、60代では60代の、80代なら80代の生き方を模索して行くことが出来るのです。
曹操が言うような実に「壮心已まず」の気魄に満ちた気持ちを、何時までも持ち続けている人は現に幾らでもいるわけです。
片一方で、例えば吉田松陰先生はその遺書『留魂録』の中で「人間にも、それに相応しい春夏秋冬があると言える」と言われています。
「四時の序、功を成す者は去る」と司馬遷も言うように、春には春の役割が、夏には夏の本分があります。
夫々の季節が自分の役割を終えて静かに去って行くが如く、私は人間その役割を終えて移り行くものだと考えています。
あるいは「功成り名遂げて身退くは天の道なり」と老子は言います。退くとは、夫々が今向き合っている仕事を離れて、夫々なりにまた新たにやるべき別の仕事があることです。
例えばビル・ゲイツさんのように、08年にマイクロソフトの第一線を退かれ2000年創設のビル&メリンダ・ゲイツ財団を通じて、より社会性を強めた新たな仕事に取り組まれている方もおられます。
人間年を取れば取る程に、その時節相応の形で「壮心已まず」の気魄を持ち続け、生を全うして行かねばならないと思います。




 

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