北尾吉孝日記

『仕事ができる人』

2018年4月5日 16:40

ひと月前ダイヤモンド・オンラインに、「一目置かれ、仕事ができる人の共通点とは?」という記事がありました。筆者曰く、その人とは「単に担当している仕事を早くそして高いパフォーマンスで行える」だけでなく、「みんなが実は大事だと思っているけれど、でも自分の担当じゃないから……と見ないふりをしているものごと(中略)に積極的に取り組んでいく人」だとしています。
そしてそれに続けては例話を交え、「目の前に落ちているゴミをまたがない」姿勢が大事であると述べています。勿論「そこにゴミがあると気がついたのならば、拾えばいい。自身がゴミを捨てる担当でないとしても、見過ごすことなくゴミ箱に入れたらいい」でしょう。しかし、私は此の姿勢と仕事ができるということは全く関係ない話だと思います。
私見を申し上げれば仕事ができるとは、先ず与えられた仕事につき時間を掛けずに終始先後の判断を行い、そして一気呵成に右から左へ流れるよう唯ひたすらに片付けて行くです。明治の知の巨人である森信三先生の言葉を借りて述べますと、「少しも仕事を溜めないで、あたかも流水の淀みなく流れるように、当面している仕事を次々と処理していく」のことであります。
それから余分な時間を作ったら、次には自分が今やっている仕事に関し、「もっと効率的に完璧にこなすにはどうしたら良いか」「より生産性を上げるには…」「如何にして改善・改良を成し得るか」等々と、次から次に考えることが大事だと思います。そして更には自分が担当している仕事につき、会社全体の方向性の中で位置付けて行くことが出来る人を私は評価します。
結論から言えば、自分の所属している部署にとって、会社にとって、あるいは社会にとって、自分の仕事の意義を本当に理解した上で、その意義を具現化するため一生懸命に全力投球するわけです。真に仕事ができる人は、出来るだけ品質の高い商品・サービスを提供するには如何なる方法があるかといった類を超え、イノベーションを起こして行くことは本当に不可能かといった所までどんどんと考えを膨らませながら、新たな仕事を創り出して行くものです。




 

『テレビの役割』

2018年3月30日 17:25

日経新聞のインタビュー記事『ロシア国営テレビ編集長「客観的報道は存在しない」』(18年2月22日)で当該編集長は欧米の主要メディアに対し、「ウソを広げている」とか「画一的な論調を流している」あるいは「情報機関の広報になっている」と批判していました。
昨今フェイクニュースということが盛んに叫ばれるようなったわけですが、その信憑性に疑義あるものが随分と出回ってきているように感じます。嘗てより遙かにフェイクニュースは伝搬し、人に誤解を持たせたり虚偽を真実と思わせたりするような事象が、非常に増えている世の中になってしまいました。
取り分けインターネットで取れる簡単な情報で、所謂フェイクニュースが平気で流れています。しかし、その発信源に対する責任追及は実効性がないものであります。一種の情報洪水下、真面なニュース・論説・見解といった類を如何に峻別して行くかが課題となっており、誰しもその選択で大変苦慮している部分があるのではないかと思います。
他方、5日前にも「ネット事業者の放送参入へ規制緩和検討 放送法4条見直し焦点に」(@nhk_news)をリツイートしておきましたが、日本のテレビ放送開始から65年を経て今、多岐に亘る大胆な改革が望まれているということでしょう。
テレビ局は大衆をして「一億総白痴化」への道を歩ませるのでなく、劣化の一途を辿る番組の質を改善し、馬鹿の一つ覚えのように各局が同じニュースばかりを司会者だけを代えて放送する画一的な報道状況等を見直す中で、国民をより知的に高い方向に誘導して行くよう改めるべきだと思います。
メディアの最重要の仕事は、物事を正しく伝えるということです。その為には、それなりの良識・見識を有した人にコメントをさせねばなりません。しかし現況を見るに、それらの欠片も無いような人間が多数番組のコメンテーターを務めており、その言に驚き呆れ果てることが多々あります。
彼等は物をコメントするに物知り顔に語っているけれども、それは聞くに堪えずwaste of timeも良いところです。局として彼等をコメンテーターとして引っ張り出してくること自体、先ず信じ難いのです。私は、コメンテーター足るの良識・見識を十分備えていないと思われる人が出ている場合、チャネルを変えるか直ぐにテレビを消しています。
勿論コメントの在り方としては同一方向のものばかりでなく、「なるほどなぁ」と思わせる切り口で多様なオピニオンが展開されるべきでしょう。例えば今回の「森友文書問題」でも反現政権一色の報道姿勢ということで、違ったオピニオンの追究も為されるべきではと思うのです。
それで言うと政党間の討論は割合対立的ですから、それはそれで一つ互いの主張を強調する意味では良いのではないかと思います。何れにしても、多かれ少なかれある程度の教養や知識を持った方々が、様々な物の見方・考え方を紹介するというテレビとして非常に重要な役割一つが、現況果たされていないというのが多数の人の認識ではないでしょうか。
今後益々テレビの視聴時間は、ネットに置き換わって行くことでしょう。ネットであればある意味この人というものをフォローし、ブログでも動画でも何でもその人のオピニオンが聞けます。そしてまた嫌であれば単にオミットしたら良いだけである一方、所謂地上波と称されるものは余りに画一的かつ御粗末な番組が多いですから、下らない話だと思いながら、正にkill-time(暇つぶし)で見ることになるわけです。
私自身はと言うと、最近はニュースや科学的な番組の一部を除き基本テレビを見ませんが、テレビガイドを見てNHKの幾つかの番組やBSで質の高そうな番組がありそうであれば、録画をして時間のある時に見るようにしています。




 

私どもSBIグループは99年の創業から一貫して顧客中心主義の徹底とインターネット革命を標榜し、金融革命に向けて邁進してきました。幸い、当時想定したよりも早いスピードで創造的破壊のプロセスが進行しました。来年7月創業20周年を迎える当社で、これまでの急成長を支えてきたのは、各種業界からの様々な転職者です。
新規事業立ち上げといった場合、学校を出たばかりの若者を雇ってスタートなどは中々出来るものではありません。やはりある程度の経験・知識を、他社で金を使い育てて貰ったような即戦力を採用するのが、一番手っ取り早い方法であります。
他社を辞めて来る理由は人それぞれです。サラリーマン社会では上司との人間関係あるいは派閥や徒党による対立的状況の中で、能力が有りながら出世できないといったケースも多く見られます。我々は、そういう人達を採用して正当な評価を下し活用して行けば、大いに戦力になると一貫して考えてきたのです。
現在「新しいSBIを、いっしょにつくろう」ということで、私どもグループはFinTechや仮想通貨等の次世代金融分野における新規事業の創業メンバーとして、同じ志を持ち共に挑戦してくれる仲間を募集しています。当社に限らず転職した人で一般的に大切なことは、辞めた会社の事を一旦忘れ去ることだと思います。
昨年11月『入社後に活躍できないミドル層の特徴は「前職のやり方を持ち込む」人』という記事もありましたが、何時までも何時までも「前の会社はこうだったけど、此の会社はどうだ」といった具合に比較論一色で物事を見ないようにすべきです。
心機一転し転職先企業を新鮮な目で見て、どんな人が居、どんな事が意義ある仕事になり、今後どんな側面が伸ばして行けるか、等々新しい会社を中心に細かく観察し深く考えて行くことが何より大事だと思います。
『新約聖書』に「新しき葡萄酒を古き革嚢に入るることは爲じ」とありますが、やはり「新しい酒は新しい革袋に」盛らねばなりません。何時まで経っても古い革袋が抜け切らなければ、新しい酒もうまくはならないでしょう。




 
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