北尾吉孝日記

休日の過ごし方

2007年7月31日 10:37

「北尾さんは休日どんなことをされているのでしょう?」

このようなことを聞かれました。
僕の場合、休日であっても趣味を楽しむような時間はありません。
休日には読むべきものが膨大にあるのです。

新卒社員の課題を読んだり、他にも勉強のための読書をします。
さらに新しい著書の執筆もしております。
さらには結婚式、葬式、何かしらのパーティと次々きて、自分の趣味に時間を使う間も無く週末が終わってしまいます。
だから本当に時間がいくらあっても足らないというのが現状です。

しかし、SBIグループのビジネスが広がり、やることが増えていく中で、それに負けず劣らず僕の発想が豊かになっていっていることを感じます。
色々な改善案が次々と出てくるのです。
そう考えると、経営者としてはある意味旬なのかもしれないですね。
旬のときは旬の生き方をしないと勿体ないと思うのです。
ですから、自分の趣味を楽しむような時間の使い方は残念ながらまだ出来ません。
僕のことを「仕事が趣味」と家内は言いますが(笑)、必ずしもそうではありません。
もちろん仕事は嫌いではありませんが、ある意味で時間に追われているのです。

そんな中、僕の唯一の楽しみはふっと落ち着いた時間です。
まさに「忙中閑有」の「閑有」ですね。
本当に短い時間ですが、テラスの薔薇やテラスに来る小鳥のさえずり、あるいは大自然を見ることが心の癒しとなっているのです。
他にも「寧静致遠」という言葉があります。
これは落ち着いてゆったりとした静かな気持ちにならないと、遠大な境地に達することができないという諸葛孔明の言葉ですが、本当にこの短い時間に遠大な境地に達し、それが一つの肥やしとなり、次に大きな発想で大きな戦略を考える。
こうやって休日を過ごしているのです。




 

SBIグループのブランディングについてのご意見が長者村の中で見受けられますが、これにはプロモーションを行うタイミングと費用対効果を当然考えないといけません。
今テレビCMをするべきだ、との声も上がっていますが本当に効果が出るのでしょうか。

かつてイー・トレード証券が誕生するときに約10億円の費用をかけてテレビCMをやったことがあります。
広告の企画を頼んだ電通は、そのテレビCMの効果があるからこそ今日のイー・トレード証券がある、というようなことを僕には言っていますが、果たして本当にそうなのでしょうか。
本当に10億円の効果があったのでしょうか。
全くないとは言いませんが、あったのかどうかというと僕にはさほど無かったというようにも思えます。
少し前ですが、松井証券が一生懸命テレビCMをやっていました。
しかし、テレビCMをやらなくなったイー・トレード証券が口座数を伸ばし、松井はシェアを落とすという結果になりました。

ですから、ただテレビCMをやればいいとは考えておりません。
しかし一方で効果的なテレビCMもあるということは、確かです。
したがって、いかなるタイミングで、いかなる方法で認知度を高めるかということは、非常に慎重に考えなければいけないと思うのです。
とは言え、近い将来に銀行、損保、そして少し遅れて生保がスタートしていきますので、その時期に何かしらの方法で認知度を上げていく、そのキャンペーンをやっていかないといけないと思っています。

またSBIというブランドの知名度に関して、Yahooで「SBI」と検索したときに、2005.5月には約60万件だったのが、2007.6月には約862万件にもなりました。
これはまさに認知度が上がってきているということなのだと思いますが、別に費用をかけて上げているわけではありません。
SBIというブランドを原則としてすべてのグループ会社につけさせたことや、また僕自身の講演や執筆などの活動も効果があったかもしれません。
そして一番本質的に効果があることは、多分我がSBIグループが毎日のように様々なメディアに取り上げられていることです。
これは、言わば宣伝費用をかけない広告になっているのです。
そう考えると、グループの全ての会社が次から次へと斬新なことにチャレンジしていくことが何よりも大切であると改めて思うのです。

何れにしても前述のように新事業が立ち上がってくるという大事な局面でもあり、何かしらの方法で認知度を上げていくことは必要です。
それについては僕自身も色々な角度から考えていますし、役員の中でもいろいろ議論をしています。本件長者村の参加者の皆様もどんどん御意見をいただきたく、お願い申し上げます。




 

児童福祉について

2007年7月25日 13:55

先日、高萩市長である草間吉夫氏の「ひとりぼっちの私が市長になった!」という本を読ませていただきました。
著者である草間氏は生まれてすぐ乳児院に預けられて、2歳から高校を卒業するまで児童養護施設で育っています。
そして紆余曲折を経て、最終的に高萩市(茨城県)の市長になったのです。
草間氏は東北福祉大学を卒業し、福祉の仕事をされていました。施設育ちの方にとって高校を卒業して大学へ行くこと、あるいは大学を卒業してから希望のところに勤めることは、なかなか困難なのです。

この本を読んで、児童福祉とはどうあるべきであるかと色々な形で考えさせられました。草間氏はその書の中で「自助、公助、共助」という言葉を出していますが、その3つの言葉の中でも「自助」という言葉を大事にされております。
施設出身の方の多くは、自分が施設出身者であることを隠していますが、それを隠している限りにおいて自助を行うのは難しいと草間氏は言われてます。
自分の過去をすべて言うこと、すなわちスピークアウトすることがスタートラインとなると仰っていますが、この発想は非常に欧米的だと思います。
従来の日本的発想ではこういったことを隠すことが普通なのです。
欧米ではキリスト教をベースとした様々な児童施設があり、社会的にもそれを援助していくシステムが出来上がっていますが、日本では篤志家が寄付する場合などが多く、そういった宗教的な部分も少ないため、社会全体として児童施設を支援していこうという気持ちが非常に薄いと思います。
例えば施設出身の方が結婚する場合、自分が施設の出身者ということを言えば、本人達は納得しても親や親戚が皆反対するという話があります。
他にも就職する場合に、保証人になってくれる人がいないという理由で就職できないということもあります。アパートを借りる時も保証人がいなくて借りれないことも多いのです。
また、施設で生活する子ども達は集団生活のための規律の中で、勉強したくても勉強できないという状況にあり、そのため一般的に施設の子ども達は成績が悪いということになってしまうという悪循環が引き起こされているのです。

こういった状況をどうやって変えていくべきでしょうか。
スピークアウト運動というものを起こすとしても、欧米ではそういったものを受け入れる素地があるのですが、日本ではそれがないと思います。
スピークアウトがマイナスにこそなれ、プラスにならないという風土があるのです。
この風土をどう変えていくか、ということでしょう。
また、児童施設では集団生活をさせるよりも、少人数にして出来るだけ家庭的な雰囲気をつくりながら、子供たちに愛情を与えていくこと。これが非常に大事であると思います。
もちろん、施設の数などの問題はありますが、児童福祉問題を考える上で子ども達にそういう愛情をいかに与えていくかということが最も重要なのです。
本当に色々なことを考えさせられて、涙をしながら草間氏の本を読ませていただきました。




 
  • 小
  • 中
  • 大



Copyright © SBI Holdings, inc. All rights reserved.