北尾吉孝日記

集合知について

2007年7月10日 17:28

イートレ長者村は顧客参加型のサービスとして様々なユーザー様から提案をいただいておりますが、この「集合知」がこれからのSBIグループにとって重要なものになってくるのだと僕は思っています。
集合知とはいわゆるWeb2.0における代表的なキーワードの一つであり、多くの人が持つ様々な情報を集約した情報のことを言います。
ウェブの発達によってブログやSNSなどの大衆参加型のサービスやオープンソース、さらにはウィキペディアなどが注目されるようになって、集合知は認識されるようになりました。
例えば商品を作る場合に、集合知の力を活用すればあらゆる観点から商品について分析することが可能となり、もっと良い商品を作ることも出来るかもしれないのです。

現在も株主の方やそうでない方からも様々な提案をいただいておりますが、僕はこうして結集した集合知を、会社がもっと良くなるために活用していこうと考えています。
ですから、集合知を見て活用してもらうためにSBIの幹部にはイートレ長者村に参加してもらったのです。
そして日記やコメントなどで自分自身がどのような人間か、自分の会社がどのような会社かということを多くの人にわかってもらう、そういった活動をしてもらいたいのです。
すでに多くの役員がイートレ長者村に参加していますが、こういったことが今後のSBIグループにとって非常に重要になってくると思います。

イートレ長者村はSBIイー・トレード証券の顧客基盤を対象としたSNSとして本4月12日にスタートし、会員数も4万人に迫る勢いですが、SBIグループの様々な顧客基盤を対象とした次のSNSの準備ももう始まっています。
そして、新しく作られてくるSNSは相互に付加価値を生むような形で連携させていく予定です。
こうしてSBIグループの持つ顧客基盤をコミュニティという形で最大限に活用することによって、集合知のビジネスを実現していくのです。




 

2005年5月にシンガポールのタマセックと立ち上げた中国投資のファンド(ニューホライズンキャピタル)は1億ドルでスタートしたのですが、もうすでに、含み益で1.5億ドルを超えています。
これが今の中国なのです。
我々は中国に駐在員事務所を作り、そしてアジア投資の拠点としてシンガポールに現地法人を作りました。
そういう一連の動きは、このグローバルアセットアロケーションという考え方、これをどんどんと推し進めるための布石に過ぎません。

そして、またベンチャーキャピタルの分野では中国だけでなく、インド最大の商業銀行であるState Bank of Indiaとジョイントベンチャーでベンチャーキャピタルを作りました。
また次に、ベトナム最大のIT企業であるFPTと言う会社とジョイントベンチャーでベンチャーキャピタルを設立するということで基本合意にサインしました。
矢継ぎ早に色々な手を打っていっているのです。
また、新しく立ち上げたインド・ベトナムファンドですが、先週末(6/29~7/1)だけでSBIイー・トレード証券を通じて20億円以上も売れたのですが、嘗て無かった規模です。
去年、日本人が買った海外モノの投信は40兆円といわれていますが、今年はその比ではないと思います。
我々はあらゆる商品に海外モノを組み込んでいかなければならないでしょう。
日本市場が当面駄目だからといって、安閑とはしてはいられないのです。
SBIはもう日本のSBIに留まらず、世界のSBIを目指していきます。

日本を金融立国にするためには、1509兆円に及ぶ個人金融資産の一部を海外で運用することが非常に大事になってくると思います。
かつて英国が7つの海を支配し、「英国の領土に日没することなし」と言われた時代が終ってからどのようなことをしたでしょうか。
その一つは、あらゆる金融事業を魅力的なものとして世界中に投資できるようにし、また世界の資金が英国に入ってくるようにしたのです。
英国病といわれた1970年代、英国を本当に救ったのはサッチャーではありません。
North Sea Oil(北海油田)とThe Cityなのです。
ですから、SBIも将来日本を救うべく世界のSBIになるために羽ばたかないといけないと思います。
これからは海外の事業に人員を相当投入して、早急にグローバルアセットアロケーション体制を整えていく予定です。
先日SBIイー・トレード証券も海外ETFの取扱いを開始する等、海外モノの販売に非常に積極的になり始めました。
しかし、まだまだ不十分だと思います。
すべての人が自分のパソコンから、全世界で公開しているあらゆる銘柄を売買できるようにしていくことこそ、我々の大目標なのです。
僕が米国のE*TRADEと今日も親しい関係にあるのは、E*TRADEの持つネットワークを活用するためなのです。
SBIのグローバルアセットアロケーション戦略はこのような形で進めていきたいと考えています。




 

中国の市場は物凄い規模で拡大しており、今四月には上海と深圳の取引所の売買高を足すと6453億ドルで東京と大阪の取引所の合算額を超えました。
中国のGDPの成長率は10%程度と目覚しいものであり、こうした株式市場の隆盛はこれからも当面マクロ経済的に続く現象だと僕は思います。
中国は大幅な貿易黒字となっていますが、その3/4が対米貿易から上げているのです。また、米国の貿易赤字の約3割は中国との貿易によるものであります。
ですから、中国にとってアメリカは大変重要な国となっていますし、アメリカにとっても中国は世界で最も重要な国になりつつあります。

今中国が恐れていることは元の切り上げ圧力です。
ですから、彼らはドルを買って元を売っているのです。
ドルを買って元を売るということは、不胎化介入が無ければ金融市場への影響が拭い去れません。
不胎化介入とは、この場合為替操作によって起きた市場への影響を、金融の操作で相殺してしまう場合の介入を指します。
もちろん不胎化介入をしようという動きはあって、今度の特別国債の発行もそういう一環での政策です。
しかし、不胎化介入で完全には影響を相殺できないことはこれまでの歴史の証明するところです。

現在、中国ではドル買い元売りによって流動性がたまって株式市場に溢れているのです。
こういう状態になっていますから、2月に多少上海マーケットが下がりましたけど、すぐにリカバリーしています。
そのあと中国銀行が金利を上げましたけど、我関せずと言わんばかりに市場は上がり続けたのです。
こういう動きはしばらく続くと思います。

このようにして中国の国内に溜まった外貨は約、1兆2000億ドルという金額にまでなっているのですが、この外貨をアメリカに還流させるという動きが起こっているのです。
だからアメリカの債券・株式市場も結構強い。
特に債権市場での需給逼迫のはすごい。
債券市場はオイルダラーに加え、中国ダラーまで入って、その上住宅のサブプライムローン問題で住宅がらみの債券の発行の縮小が予想され、そのような需給の逼迫がおきているのです。債券市場からあぶれたお金はアメリカの株式市場へと向かっているので、アメリカの株式市場は底堅いのです。

こうした動きの中で、全く蚊帳の外に置かれているのが日本です。
ですから、我々は1509兆円と言われている個人金融資産をもっと海外へ出していかなければなりません。
投資効率から考えると、遥かにその方が良いのです。
去年は40兆円もの証券投資資金が日本から海外へ向かいました。
今年はもっと行くでしょう。
今度のSBIインド&ベトナム株ファンドの設立もそうした動きに乗る為です。




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