北尾吉孝日記

M&Aについて②

2007年7月23日 8:54

前回、ブルドックソース株式会社の買収問題について少し触れましたが、この問題は企業と株主の在り方を大きく示唆した出来事になったと思います。

ブルドックソースはスティール・パートナーズの敵対的買収に対して防衛策を考案しましたが、スティール・パートナーズはこれを不服として差止め請求をしました。
結果は一審、二審ともにスティールの訴えを棄却しましたが、この問題には様々な意見が出ているようです。
例えば、今回の買収防衛策の発動によって、ブルドックソースはスティール・パートナーズに23億円支払わなければならないのですが、これは会社の利益を著しく損なうものとしてこの経営陣の判断は妥当ではない(善管注意義務違反である)との見方がありました。
買収防衛策を発動することによって会社の利益を著しく損なうことは株主の利益を損なうことに直結する、そして株主の利益を損なうような行為を経営者はしてはならない、ということです。ですから、本件の買収防衛策導入に関してブルドックソースは株主総会で導入の是非を決議しましたが、その結果大多数の株主の賛同を得ることができたのです。

この株主総会の持つ意味は大きいと思います。
なぜなら、多くの株主が短期的には痛みを伴うであろう防衛策を承認し、長期的な視野で会社を守っていこうという姿勢を見せたからです。
本来、企業と株主の関係はこのようにあるべきなのだと僕は思うのです。
株主は長期的な視野に立って会社が成長していくことを見守り、会社が危機の時には一丸となってそれを乗り越える。
そして経営者はこうした株主の期待に応えるべく自信と気概をもって経営に臨み、会社を成長させることで株主に還元していく。
僕は、自分よりもSBIホールディングスをうまく経営できる人がいるなら、その人に一任した方が良い、株主のためになると思っています。
そのくらいの自信と気概をもって経営をしているのです。

一方で、買収に対抗するための手段として株式の持ち合いを復活させようとする動きもあるようですが、「ものいわぬ株主」ばかりで構成された企業が本当に市場ニーズと反応して企業価値を高めることが出来るのでしょうか。
企業の使命は、株主や従業員、更には地域社会も含めたすべてのステークホルダーとの利害を調節しながら永続企業として発展していくことです。
一時的に経営を託された人間のエゴのために、自らの保身のために防衛策の採用が行われることは決して望ましいことではないと思います。




 

M&Aについて①

2007年7月19日 14:24

M&Aについては事業会社の関心も高く、小生のところにも多くの講演依頼が来ております。特に三角合併が解禁されてからは更に依頼の数が増えました。

三角合併が日本にもたらす影響については、先日発売されました「Voice 6月号」(PHP出版)でも若干述べさせていただいておりますが、基本的には三角合併の解禁が日本の企業にとってマイナスになるとは思っておりません。
巷では三角合併の解禁によって外国の企業が自社株を使い、日本の企業を買収できるようになるため、外資による乗っ取りが頻発し、日本の市場が荒らされるのではないか、ということを危惧する声も上がっているようです。
しかし、あるアメリカの有力コンサルティング会社の調査では、大型合併はその7割が失敗していると報告しているように、M&Aを成功させるのは極めて難しいという認識があります。
そしてさらに困難を極めるのが企業文化が大きく異なる国境をまたいだ国際的なM&Aなのです。従って大規模なM&Aについては株主の目も厳しいものがあります。
こうした中で、外資による乗っ取りが頻発し日本の市場が荒らされるという状況は起こり難いと思います。
また、ブルドックソース株式会社の買収問題における司法の判決を見ても、日本人としては極めて常識的な判決が出たのではないでしょうか。外国人的には非常識な判断ということだと思いますが・・・。
この判決により単にグリーンメーラーとして利益のサヤだけを取りに来る国内外のファンドや投資家は、あまり活躍の余地がない状況になっているのです。
ですから、三角合併のケースでも敵対的買収ではなく、あくまで友好的な買収で双方の事業会社で本業上でのシナジー効果が見込めるケースが多くなると思います。
こういったM&Aは企業価値を損なうものではありませんので、経営者の方々は恐れることは何もありません。
もし合併が企業にとっても、株主にとっても、事業戦略上にとってもいい話であれば、積極的にそういうものを受け入れていくスタンスは必要でしょう。

M&Aは、アメリカにおいても証券市場を活性化する要素となってきましたが、恐らく日本においても敵対的なM&Aではなく友好的なM&Aを中心に増えていくと思います。
先日、我々も株式会社ナルミヤ・インターナショナルの株式を公開買付けにより取得することを発表しましたが、これも友好的M&Aであり、今後も企業価値を高める上でプラスであると判断した場合にはこういったM&Aも積極的に行っていこうと思います。




 

地震について

2007年7月18日 10:01

先日の平成19年新潟県中越沖地震でお亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りすると共に、怪我をされた方々の1日も早い快癒をお祈りいたします。

また、様々な被害に遭われた方々にも心よりお見舞い申し上げます。

地震と言いますと、今年の年頭に行ったスピーチの中で、亥年というのは歴史的に見ても地震が多いという話をしました。

古くは1647年の江戸の大地震、1707年の富士山の大噴火、1803年の伊豆の大地震、近年であれば1923年の関東大震災、1983年の日本海中部地震、そして忘れもしない1995年の阪神淡路大震災までもが全て亥年に起こっているのです。

これが当たらないようにと常日頃思っておりましたが、今年振り返ってみるとやはり地震が多いようであり、そしてまた今回のような大きな地震が来たことについて、危惧していたことが現実化してしまったことを非常に残念に思います。

今後も地震が続く可能性はありますので、備え有れば患い無しと言いますように、住居の補強や食料・飲料水の備蓄など様々な対策を立てて災害には十分に備えるべきでしょう。




 
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