北尾吉孝日記

新興市場について

2007年4月25日 12:47

新興市場の信用の失墜は昨年1月のライブドアショックから始まっていますが、当初はライブドア個別の問題であり、また一過性ものであると考えていたため、ここまで新興市場の信用が失墜する結果になるとは私も予測できなかったです。

ところがそのライブドアショックを契機に、カネボウに続き日興コーディアルグループの粉飾決算やIXIや加ト吉の循環取引を監査法人が全く見逃していた事など、監査法人自体の問題も相次いで発覚してきました。

こうした状況により、大手の監査法人含め、非常に甘い監査をしてきたという批判を受けるなど、監査法人は厳しく監査していかなければ自身の信用を失い、廃業に追い込まれることもあり得ると考え、その後非常に厳しい監査を実施するようになりました。
特にソフトウェアなど、在庫が目に見える形になっていないような商品については、昨今は逆に厳しすぎるほどの厳しさが見られるようになっています。
こうした影響で業績の大幅減額修正を迫られるような企業がたびたび見られるようになったのです。

IT系の有力企業の場合、例えば楽天は上場以来の経常利益の赤字が出ています。
あるいはインデックスの場合も、減額修正に加えて赤字となっています。
このようなネット関連の有力銘柄と目されていた企業の業績悪化や下方修正が、ネット関連企業の多い新興市場の足を引っ張ることにもなり、今日まで続いた新興市場続落の要因の一つともなっているのです。

こういう様々な問題を受けて、予想以上に東証マザーズ、ジャスダック、大証ヘラクレスといった3新興市場の信用の失墜が広まり、深まっていき、それらに上場する企業の株価が続落するという事態が起こったのです。

それがいつまで続くのか、その節目がこの3月期の決算発表になるのではないかと思います。
監査法人が厳しくなったにもかかわらず通期の業績が前年比大きく悪化していない企業や伸びている企業については、不信感は払拭されます。
つまり、新興市場の銘柄は業績の如何にかかわらず殆どが下落しているため、決算発表の結果次第では株価が反発してくる可能性が高いわけです。
今期の決算発表で「本物」と「偽物」の区別は明確に分かれると思います。

新興市場全体でどれが「本物」なのかわからないという不信感が、株価を大きく下げる要因となっていましたが、それもこの3月期の決算でほぼ見極めがつくのではないかと思います。
従って、新興市場の株価だけが下がって東証一部だけが上がるという状況は徐々に解消されてくるのではないでしょうか。
また、新興取引所への上場についても主幹事証券はより厳格になってきていますので、この点も新興市場に対する不信感の払拭に寄与するのではないでしょうか。
新興市場だけが毎日下がり続け、東証一部だけが上がるということは長く続くことはあり得ないと思います。
基調として相場が強い時には、経験則では循環物色です。

全体的に言えば「雨降って地固まる」でしょう(笑)




 

Webの未来像と金融

2007年4月24日 18:16

これはSBIグループの最大のテーマでもあると思います。
どのような時代が訪れるのかと言いますと、
たとえばイー・トレードの世界で言えばコミッションを武器に勝ち進む時代は終わった、
ということなのです。
ネット社会の中で、どうネットによってお客さんを広げるか、ネットによって囲い込むか、これからの時代はこれが最大の武器になるのです。

ですからロングテール理論で言えば、長く太くする、それを全部インターネットによって実現していく、これがSBIグループのこれからの戦略となります。
もちろん、いい商品をどんどん開発して提供していこうという従来の戦略もあります。
しかし、「SBIグループはネット企業である」という自覚をもってやっていかなければならないと僕は思うのです。

だから去年の新卒に書かせた35回の課題のうち、大半のテーマがネットに関わるものでしたし、今年の新人もネットに関しては相当鍛えていくつもりです(笑)

今年の新人に「いつからパソコン使ってる?」と聞いたら「中学生からです。」と返事されました。
僕なんかがパソコン使い出したのはソフトバンクに来てからです(笑)
若い人達は僕とは全然違う観点を持っていますし、だからこそ若い人達から教えてもらうのに丁度良かったのだと思います。

現代人はネットがなかったら生活できません。
情報を得るにしても、本ではなくほとんどがネットなのです。
Fast社の検索エンジンもそうですが、優れた技術がどんどん開発されているわけですよね。ですからSBIグループも「自分たちは金融の会社だ」と思っていると、いつの間にかやられてしまうと思います。
その敵は今まで金融界にいなかった人達、たとえばGoogleですとか、そういう人達にやられてしまうことが有り得るのです。

だから僕は仮想敵国が金融の世界にいるとは思っていません。
もし金融の世界にいたとしても、まだまだマイナーな人達かもしれないのです。




 

外債や外貨投資について

2007年4月24日 17:25

外債や外貨投資がポピュラーになってきましたが、こうしたものはもっとロングタームでの投資を考えてもおもしろいと思います。
前に僕が「人物をつくる」という本で書いた、非常に早いタイミングでのユーロに関する考察があります。
ユーロがドルと並ぶ基軸通貨になっていきますよ、という話が書いてあるのです。
だからそのとき信じてユーロ買った人は随分儲かっているはずですね(笑)
今回はその話を紹介したいと思います。

~~~ 人物をつくる(172P~)より ~~~
3つ目は、これが最大の理由だと思うのですが、ドルのシングル基軸通貨という体制が、そろそろ終焉を告げつつあるのではないかということです。昨今のユーロの状況を見ていると、ユーロがまさに第二の基軸通貨として誕生してくる気配を感じます。もう「パックス・アメリカーナ」(米国支配による世界秩序)の時代は、終わりに近づいてきたのではないかと思います。
従って、今度、英国がユーロに加盟するかどうかが重要です。いま、ポンドは安くなっています。ユーロに加盟すればポンドが割安に評価されるということで、下がっているわけです。逆にデンマークのクローネは強くなっています。
経済統合の完成したヨーロッパが大変な力を持った地域になることは、間違いがないと思います。
マルクスではありませんが、経済構造というのは最も下部構造にあり、その上に政治などのいろいろなものが積みあがっていくわけですから、経済統合がなされる意味というのは、通貨にも大きな影響を与えると思います。
一方アメリカは、大変な借金国です。
本来ならば、アメリカに次ぐ第二の経済大国としての日本が、その地位に代わらなければならないのに、第三の基軸通貨としての役割さえも担えないような状況です。
今申し上げたような三つの理由で、アメリカを中心とした世界経済の枠組みが、大きく変わる可能性が出てきたと思います。
こうした大きな流れを的確につかんで、ぜひビジネスに活かしていただきたいと思います。 2002年7月
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言った通りに5年前にユーロのソブリンを徹底的に買い、じーっと5年間辛抱する。
そうすれば為替だけでも大儲けが出来る。
そういうものなんです(笑)




 


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