北尾吉孝日記

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2007年は世界的に大きな問題を解決しないまま、次の年を迎えることとなりました。
その問題とは言うまでもなく、サブプライムローン問題です。
サブプライムローン問題は当初考えられていた以上に大きな問題へと発展したのですが、2008年に入っても、少なくとも上半期においては、解決するところまでいけないのではないかと私は考えています。

日本経済もこの問題に再三振り回された感があります。
例えば、日銀としては長年の低金利から脱して、金利を上げたいと思っていたにもかかわらず、金利を上げられないまま年を越すこととなり、2008年もしばらくは金利を上げられないと思います。
そして、ついにデフレからの脱却が出来るかと言われていたのが2007年なのですが、結局デフレからの脱却も出来ないままに終わりました。

何とか2008年内にはデフレからの脱却を成し遂げてもらいたいと思うのですが、2008年は日本経済にとってなかなか難しい年になると考えられます。
2008年の実質経済成長率について、主要な海外の予測機関であるIMF,GS、モルガンスタンレー等の経済成長の予測を見ますと、日本経済についてもアメリカ経済についてもシビアなものが多く、おそらく日本の2008年実質経済成長率は1-1.5%と低いものになると思われます。
アメリカは、経済が停滞しインフレが進行するスタグフレーションという一番厳しい状態になることが心配されています。
日本の場合はインフレまで心配することはないのでスタグフレーションの心配はないでしょう。

アメリカとの関係で私が一番気にしているのは為替レートです。
おそらくアメリカはFFレート3.5%ぐらいまでは下げてくる可能性があると考えられます。
そうしますと、日米の金利差が縮小され、これが円高の要因となるわけです。
したがいまして、今まで日本経済を支えていた「円安⇒輸出の拡大」という図式にストップがかけられる可能性が出てくるのです。
為替の部分について2008年全体として見ますと、1ドル105円くらいまでいくことが有り得るのではないかと考えています。
日米両国間の政策金利の差が3%より縮まってくると、これが円高になるということが経験則的に言われているのですが、そういう局面が2008年には出てくるのではないでしょうか。

そして更に、前記の状況を踏まえ日本においては消費の回復も遅れることが考えられます。
何故消費の回復が遅れるかの最大の理由は、これは経済学の基本的命題である要素価格均等化の定理から導き出されます。
すなわち、人件費の非常に安い上に豊富な労働力のある中国が近隣にあるということが、日本にとっては人件費が上がらない非常に大きな理由となっているのです。
また、それだけではなく他のBRICs諸国の台頭も大きな要因となります。
BRICsが台頭してきた理由もやはり人件費が徹底的に安いという価格競争力にありますので、貿易がなされると要素価格は均等化していくという経済学の基本的命題に従って動くことを考えますと、日本での人件費が増えないために消費の回復も遅れると考えられるのです。

したがいまして、2008年もデフレからの脱却はおそらく難しいでしょう。




 

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