北尾吉孝日記

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もう一つ、世界的に見て大きな問題になり得ることがあります。
それはドルの信認低下です。
このことが本格的に起きれば1ドル80円台なんてこともあり得ます。

いよいよドルの基軸通貨としての信認低下が本格化してくる可能性が出てきたように、私は思います。
この意見に対して「そんなことはない。ドルが安くなれば、世界中から買い物が入るから、ドルはそこまで安くはならない。一時的には安くなることはあるかもしれないが。」という見方もあります。
しかし、国際収支上の問題からアメリカ経済の信用は低下しており、世界一を謳っている軍事力についても、未だにアフガンでもイラクでも問題を解決できないことによって疑問視されるようになってきました。
更に中国、ロシア、あるいはユーロ全体が大きな軍事力を持った国々として台頭してきているという背景もあります。
したがいまして、アメリカはもはや圧倒的経済力と圧倒的軍事力をもって世界に君臨してはいないのです。
金とドルの兌換を停止したニクソンショック以降、潜在的に存在し続けていたドルの信認低下リスクというものが、アメリカの経済力と軍事力のほころびが目立ち始めてきたという状況の中で、クローズアップしてくるように考えられるのです。

中国のようにすでにドルを売り始めているところも出てきましたので、今までアメリカの経常収支の赤字を支えていたドル資金の流入は停滞し始めています。
中国という国には紙切れを持っていてもしょうがないという発想が根本にありますので、アメリカの国債を買い続けてくれるとは限らないということなのです。
そして、OPECも同様の考え方になって産油国がドルペッグをやめ、通貨バスケット方式を採用するということになってきますとドルの信認は急速に低下していかざるを得ません。

ドルの信認低下リスクの顕在化。今まさにそういった局面を迎えており、これが世界経済の最大の不安要素だと私は考えているのです。

いずれにしましても、2007年から持ち越される問題、これはサブプライムに端を発したということではありますが、ドルの信認低下というもっと大きな問題が背後にあるということだろうと思います。
世界の成長が続くかどうかも世界経済全体を占う上では大事なことであり、2008年にオリンピックを向かえる中国がオリンピック後どうなっていくのか、これも重要なポイントになってくると思います。
日本は東京オリンピックの後、多少の停滞感が出てきたのですが何とか切り抜けました。
中国もオリンピック後をうまく切り抜け、最近論じられているデカップリング理論のようにBRICsやVISTAのような新興国に世界経済の大きな牽引役となってもらい、世界経済の危機を乗り越えて欲しいと思います。




 

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