北尾吉孝日記

『日本の貧困率について』

2008年5月9日 17:35
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4月30日の朝日新聞に、「経済協力開発機構(OECD)諸国の相対的貧困率ワースト10」(貧困率は生産年齢人口の所得分布の中央値の半分に満たない人の割合)と題した一覧表が出ていましたが、それを見ると日本の貧困率は米国に次いで2位であることが分かります(画像参照)。日本における格差問題とは、世界的なレベルで見ても非常に大きくなってきたということが、この統計資料により明らかであります。

この格差問題の背景として、単に小泉政権の時に格差を生み出す政策を実施してきたことのみを考えることは、あまりにも短絡的であると思います。むしろその背景を考察する場合には、90年代に日本でどのようなことがあったかを考えるべきであります。

その時代とはバブルがはじけ、未曾有の不況に陥り、その後数年間に渡り長期経済停滞の局面に突入する中で、いわゆる「収益こそがすべてである」という米国の経営思想が蔓延した時代であります。それにより、日本の60年代の高度成長期に「三種の神器」と呼ばれた「終身雇用・企業別労働組合・年功序列」といった日本の経済成長を支えた労働慣行が大きく否定され、能力主義が蔓延しました。さらに、契約社員やパートを増やし、さらには安易に目先の利益にならない研究開発費や設備投資を減少させる等して、どちらかと言えば長期的思考に立脚していた日本の企業経営が、短期的思考に立脚した目先の利益を優先するようになって行きました。私は、まさにこれこそが貧困率ワースト2の結果を生み出した最大の要因だと思います。

様々なご意見がある分野であるとは思いますが、私はそのように考えています。




 

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