北尾吉孝日記

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最近、海外からの様々なお客様と話しをする機会がありましたが、その中で私の印象に残ったことを幾つか紹介いたします。

一人目は世界的規模の欧州の某保険会社幹部です。当然話はAIGのアセットが今後どうなるのかと言うところから始まりましたが、私から「あなたのところも当然AIG買収の候補者でしょうね」と言ったところ、彼は「勿論」と答えました。AIGのアセットは基本的にクラスター(まとめて)で売却すると言われています。すなわち130以上の国・地域で展開されている事業を国別に売るようなことはせず、まとめて全部を売却することが米国政府の考え方のようです。

二人目は世界的な超大手の某メディア会社幹部です。流石に超大手メディア会社の最高幹部の一人だけに話題は極めて豊富で、インフォメーションもある意味で非常に生々しいホットなものでありました。そのような会社が当グループの戦略や過去の実績、そして、これからのビジョンを高く評価してくれました。そのことは大変ありがたいことだと思いました。
またもう一つの印象として、私が話した中で興味を持ってくれた話の一つが、11月4日より「ジャパンネクストPTS(SBIジャパンネクスト証券株式会社が運営する私設取引システム)」の取引時間を昼間に拡大することについてです。このPTSは必ずや非常に短期間で、株式会社東京証券取引所の取引量の10%に迫るものになるだろうと私は思っていますが、それについて非常に共感してくれました。既に主要な外資系証券会社のほとんどがこのPTSに参画することを表明し、契約書も締結しているという状況ですので、彼もその位のことは簡単に推測することが出来たのであろうと思います。また彼は、この昼間の取引をスタートすることで得られるマーケットデータを大変な価値があると考えてくれています。当然私もそのような価値を考えた上で彼と話しをしたわけです。この貴重な情報をどのように利用するかが、私どもの戦略上非常に重要になってくると考えています。

それから三人目は香港の某金融機関のトップです。今の世界情勢に絡んで、中国株の将来がどうなっていくのかについて意見を交わしました。その時に彼が言っていたことは、中国のA株についてであります。A株とは、特別な許可を得た外国人(QFII:適格海外機関投資家)しか売買することが出来ない中国国内でのみ流通する株式であります。A株を含めた投資信託を組成する権利は幾つかの外資系金融機関が有していますが、その数も非常に限られています。つまり外国人がほとんど持てない株式、それがA株なのであります。

今日本は欧米の投資家が大量の日本株を処分していることにより、大変ネガティブな影響を被っています。ある意味でそれが日本の弱さの大きな理由になっていると思います。冗談で「欧米が風邪をひけば日本は肺炎になる」と言われますが、まさに現在の日本の肺炎現象の理由とは、欧米の日本株を保有している投資家が実弾でそして価格をほとんど気にせず、猛烈に売ってきていることにあると思います。それに対して中国はと言えば、マクロ経済的に受けるネガティブな影響や企業業績に与える影響等から中国株は当然下がり得るわけですが、日本株に起きている様なドラスティックな投売りによって生ずるものではないと考えています。

また彼は、「中国政府は情報もコントロール出来るのですよ。世界における情報を精査し、あまりに株式市場にネガティブな情報は排除することも出来るのです」と言っていました。従ってそのようなことを考えますと、意外と中国株は底堅いのではないかという印象を持ちました。もちろん深?市場も上海市場も下がってはいますが、これは去年上がり過ぎた分の下げが来ているという風に考えても良いのではないかと思っています。

最後の4人目は、米国の金融機関の幹部です。こういう金融危機に際しては、インベストメントバンカーより、コマーシャルバンクの方が強いと言っていました。事実いわゆるインベストメントバンカーはすでに消滅してしまったわけですから、そうとも言えなくはないでしょう。彼はデポジットベース(預金)を持っている処は強いというのです。確かに顧客のお金ですが、そういう部分は理解できます。SBIグループにもネット銀行が急速に預金残高を拡大し、もう5000億に近くになっています。このお金を有利に運用する商品がこの金融危機によりどんどん出て来ているのも事実です。

この1週間でお会いした方との雑感はさておき、私は来週からジュネーブとハンブルグに行くことになっています。またその出張から帰って来た後は、北京大学ビジネススクールでの講演を依頼されていますので北京に参る予定です。そこでは北京大学の学長とも食事を共にすることになっています。そして、決算発表を終えた後、11月早々には中国の某銀行総裁にお会いする予定であり、相変わらず世界中を飛び回るという状況であります。しかし、色々な方とお会いし、様々なホットな情報を入手出来ることは、私どものディシジョンメイキングにおいても非常に重要なことであると考えています。海外から来られるお客様や私の海外への出張を通じて、この100年に一度と思われるタイミングで大きなビジネスチャンスを掴んでいきたいと思っています。




 

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