北尾吉孝日記

『信なくんば立たず』

2008年11月7日 16:11
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最近、民主党を初めとする野党は「信を問うべき」という言葉を盛んに使っています。これは内閣総理大臣だった安倍さん、福田さん、現在の麻生さんも国民の信を受けてないからであります。この「国民の信を問う」という問題に関して、ふと中国古典の論語の一節を思い出しましたので、「孔子ならこの問題をどう考えるのか」ということをお話したいと思います。

論語の顔淵篇に次のような一節があります。

『子貢、政を問う。子曰く、食を足し兵を足し、民をしてこれを信ぜしむ。子貢曰く、必ず已むを得ずして去らば、斯の三者に於いて何れをか先にせん。曰く、兵を去らん。曰く、必ず已むを得ずして去らば、斯の二者に於いて何れをか先にせん。曰く、食を去らん。古より皆死あり、民は信なくんば立たず。』

これは次のように訳されます。

『子貢が政治について尋ねた。孔子が言われた。「食糧を豊富にし、軍事を充実させ、人民に信義を持たせることである」。子貢が言った。「もしどうしてもやむをえない事情でこの三つの内一つを省くとしたら、どれを最優先にしますか?」孔子が言われた。「軍事だね」。子貢がさらに言った。「もしどうしてもやむをえない事情で残った二つの内さらに一つを省くとしたら、どれにしますか?」孔子が言われた。「食糧だね。どんな人間でも昔からいつかは死ぬとされているが、人民に信義なくては国家も社会も成り立たないよ」』

これを現代風に解釈しますと、「兵」というのは国防、「食」というのは経済であり財政です。これらはいずれも国家において非常に大事な政策的課題であると孔子は言っています。しかし、孔子はこの二つよりも「信」ということがより大切であると述べています。大事な政策を進める為には、先ずその根本に国民の「信」がなければならない。国民がその政治の在り方を信頼して初めて政策を推し進めるべきであると言っています。現在の麻生政権はこのことについて考えてみるべきだと思います。

先日バラク・オバマ氏が米国史上初めての黒人大統領になりました。人種のるつぼである米国ですが、今まで白人が政権を取り続けてきました。今回黒人が政権を取るということは、ある意味で非常に大きなチェンジを象徴することであると思います。振り返ってみますと他にも韓国や台湾など様々な国で政権が変わっており、世界中でチェンジが求められているという気がします。日本でも一刻も早く国民の信を問うて、国民の信を受けた政権の中で大胆な政策を断行していくことが、今のようなタイミングでは特に大事であると思っています。




 

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