北尾吉孝日記

『日米中の経済政策』

2008年11月28日 10:56
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現在に至るまでFRBのバーナンキは金融政策を中心とした、彼が最も得意とする施策を打ち出してきました。しかし、政策金利は日本がかつて経験したように段々とゼロに近づいています。次は日本が行ったように量的緩和政策を実施すると見られています。

バーナンキは学者であった時に、1929年のThe Great Crashについて研究していましたが、あの時もしも大幅な金利引き下げが行われていたらThe Great Crashは起こらなかったという趣旨の論文を書いています。しかしながら、おそらく今は彼は金融政策だけでは不充分であると理解しているに違いないと思います。2008会計年度の財政赤字は金融機関の破綻や景気低迷による税収減で4550億ドルと過去最高になり、10月単月過去最大の財政赤字(2371億7700万ドル)となりましたが、今後もその財政赤字の更なる拡大を覚悟してでも思い切って財政支出を増やしていかざるを得ないと考えていると思います。今回の世界的な危機に対しては、主要国はすべて金融財政両面で対策を講じなければいけなくなると思っています。

中国は早々と57兆円規模の内需刺激策(所得減税も含む)を打ち出しましたが、これは金利引き下げに加えて発表した、非常に賢明な政策だと思います。私は少なくとも8%~9%程度の経済成長を来年も十分達成できると思います。また2010年には上海万博がありますので、そのような意味でも内需拡大は相当なされていくと考えています。また懸案の沿岸部分と内陸部分の格差問題について言えば、今度の約57兆円のかなり部分が内陸部分の経済発展のためにインフラ整備等も含めて使われると思いますので、それ程遠くない将来再び10%以上の実質経済成長率になっていくのではないかと思っています。

日本は第二次補正予算案を後回しにしましたが、本来今国会中に提出すべきことだと思っています。色々と技術的な問題を挙げ、枝葉末節を論じることでいたずらに提出を遅らせようとしていることは、誰が見ても明らかです。麻生さんは一日でも長く、内閣総理大臣に留まりたいのかなと思ってしまいます。

また、11月中旬に米国ワシントンで開かれた緊急金融サミットにおける麻生さんのプレゼンスは、実にお粗末であったと思います。出発前から早々とドル基軸体制に対する支持を表明し、英国やEUの他の国々が中心となって言及している「第二次ブレトンウッズ体制」への移行に関して、その出鼻をくじいてしまいました。現在、約100兆円の外貨準備高をほとんどドルで保有していますので、ドルの価値を維持したいことは分かりますが、やはり出発前からそのようなことは言わずに、会議の場である程度世界各国に対して様々な発言ができるポジションを作っておくべきであったと思います。そして、ポスト『パックスアメリカーナ』の世界経済システムの主導権を握るために、まずは日本が独自の青写真を示すべきであり、いつまでも米国の後塵を拝するようでは話にならないと、私は個人的に思いました。

最も麻生さんは何か発言をすると、その多くが問題発言となり、与党の中でも「福田さんの方がマシ」であると色々な議員さんは内心では思っているようで、実際お会いするとそのように発言される方も数多くいます。まさに現在の自民党は末期政権とも言えるような状況であると思います。




 

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