北尾吉孝日記

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最近は児童生徒の携帯電話所有について、原則禁止にした方が良いと考える地方公共団体が増えてきています。またそうすべきであると言う保護者も大勢います。例えば、先日大阪府は公立小中学校での携帯電話所有を原則禁止する方針を打ち出しましたが、その大阪府の保護者の70%以上がその方針に賛同しているという調査結果もあります(※1)。しかし、同じ賛同者においてもその理由は様々あると思っています。特に重要なのは次の二つでしょう。

まず1つ目は、子どもの携帯電話料金の家計に占める割合がそれほど小さくはない状況があることです。現在のような経済状況になり可処分所得が減少傾向にある中で、携帯電話料金が家計の重荷になっていることも、原則禁止に賛同する一つの理由であると思います。2つ目は携帯電話等の電磁波の影響が脳腫瘍を発生させたり、癌を誘発することに繋がるとする様々な研究がなされていることです。携帯電話の利用について警告されている研究者も随分出てきていますが、今後のこの分野におけるより精緻な研究が待たれるところであります。

しかし一方で現代の子ども達にとって、携帯電話の無い生活は考えられなくなっているのではないかとも思います。それは大人にとっても然りで、携帯電話を家に忘れたら、仕方がないから取りに帰ろうと大概の人が思うようになっています。それほど現代においては携帯電話が必需品になっているということです。それは仕事上もある面で必需品になっていることを考えますと、子どもの世界でもそのような部分があるのではないかと思っています。また、そのように携帯電話が社会に深く浸透したことにより、今や公衆電話をほとんど見かけなくなりました。このような状況下では緊急事態におけるコミュニケーションに不安が残ります。特にこれから大規模地震の発生等、様々な天災が起こりうるわけですから、一概にこれを禁止するということではいけないと思います。加えて、子どもの誘拐や拉致などと関係して、やはり携帯電話を持たせたいと思う親心も片方でありますので、学校への持ち込みを禁止するならば、そのような部分のケアについても同時に考えなくてはいけないと思います。

また、子どものコミュニケーションについて言えば、やはりもっと直接会って対話させるようなコミュニケーションの在り方を学校が指導していく必要性もあると考えています。それから携帯電話でゲームばかりしている多くの子どもがいますが、これも非常に宜しからぬ状況だと思っています。しかし、子どもの生活全般を家庭でも学校でも指導していくということが片方でなければ、単純に禁止するだけでは子ども達も中々治らないという気もしています。

このように状況は大変複雑ではありますが、学校における生徒の携帯電話の所有について大方の賛同が得られるよう、今後もあらゆる側面で色々な工夫をしていかなければいけないと思っています。

参考
※1:「小中学生のケータイ所有」に関する保護者の意識調査(大阪府)




 

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