北尾吉孝日記

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昨日のブログでも書きましたが、世界的に株式市場が少し動き始めています。実は3週間程前にシンガポールの政府系投資会社TEMASEK Holdingsの100%子会社であるFullerton Fund Management Company Ltdと共同設立した、アジア主要国の上場金融機関等への投資を目的とする投資ファンド「Fullerton Asia Financials Fund」の運用を大至急再開するように指示をしました。これまで暫くの間、運用をストップしていましたが、私は一つの相場の転機を感じ、そのように指示を出しました。

今後は特に金融機関において、過去最高益とまでは行かなくとも、業績的に明るい話題が出てくると思っています。例えば、ワコビアとの合併効果も当然あるとは思いますが、ウェルズ・ファーゴが2009年1―3月期に最高益になりそうであると先週発表しました(※1)。
また、株式会社三井住友フィナンシャルグループ(以下、三井住友フィナンシャルグループ)は連結最終損益が3900億円の赤字になりそうであると発表していました(※2)。
これはある意味で悪材料を全て今期に出したという考え方であると私は思っています。その上で資金調達を行い、新たな事業に投下していくという戦略かもしれません。企業は悪材料を抱えたまま、それを公表せずに株式がらみで資金を調達することは出来ません。株式市場を通じた時価発行増資の資金調達は、基本的に実施する前に悪いものを全て発表して、株価が下がるところまで下がってから行うべきであります。時価発行増資を実施した後に悪いニュースが出て来ることは、経営者として基本的に避けるべきであると考えます。

また片方で今期に悪材料を出し尽くして、来期に大きなリカバリーが出来るということがなければ、時価発行増資は行い難い面もあります。時価発行増資をする場合の一つの基本的な考え方としてあるのは、EPS(Earnings Per Share/一株当たり利益)が実施後も上回る環境を想定しなければ、経営者としては中々時価発行増資に踏み切るわけには行かないということです。今回の三井住友フィナンシャルグループの発表は、ある意味で来期の業績回復を見通した3900億円の赤字であると思いますし、またその上で今後積極的に事業を展開していこうと考えている経営者の意図のようにも読み取れます。

社名を公にすることは出来ませんが、事程左様に他の幾つかの海外金融機関の経営者と話していても、やはり2009年1―3月期が業績的な底で、それ以降は特殊な要因がない限りプラスになっていくと判断できる様なコメントをする方が多いように思います。当社の前期業績について言えば、株式市場に依存する収益体制というものが非常に大きなネガティブな影響を及ぼしたと思っています。従って、2008年度は大変苦しい経営を強いられました。しかしながら、前回のブログで申し上げたようなマーケットの状況であるならば、例えば証券業が他の産業よりも早く回復してくると思っていますので、2009年度については強い期待感が持てると思っています。SBI証券の4月の日々の様々な指標を見ていますと、かなり好調に推移しているようにも思います。

参考
※1:http://s.nikkei.com/ss20PT
※2:http://bit.ly/sQQhXn




 

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