北尾吉孝日記

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先日香港への出張から帰国する飛行機の中で「ダボス会議」の主催者であるDr. Klaus Schwabと偶然一緒になり、お話しをする機会に恵まれました。以前ブログで紹介した通り(世界経済フォーラム東アジア会議)、私は昨年クアラルンプールで開かれた「アジア版ダボス会議」にパネリストとして参加しましたが、その際Dr. Klaus Schwabに「You should contribute more to the Davos.(もっとダボス会議に貢献してよ)」と言われていましたので、彼も私の顔を認識できたのだと思います。
来週中国の大連でサマーダボスがありますが、実はその前に日本では100人ぐらいが参加するランチョン・ミーティングが開催され、そこに私も招待されているのですが、彼には「是非ランチョン・ミーティングに来てくれよ」と言われました。当初は大連でのサマーダボスに参加するつもりでしたが、中国の某巨大金融機関にそこの幹部数十名に対する講演を依頼され、そしてまたその金融機関のトップエクゼクティブとの会食やミーティングを行う時期と偶然重なってしまいましたので、残念ながらサマーダボスには行けませんが、日本での今回のランチョン・ミーティングには参加する予定です。そこには民主党代表の鳩山さんが出席する予定ですので、どのような話をするのか非常に楽しみにしています。
私はDr. Schwabが今回の衆議院選挙の結果を好意的に受け止めているのではないかという印象を持っています。彼の胸の内を確かめたわけではありませんが、満面の笑みを浮かべながら「ミスター鳩山も来るから是非参加しなさいよ」と私に話していた時の表情を見るにつけ、そのように感じました。

今回の日本の変化について、「鳩山論文」の英語訳(一部正しく訳されていないと思える部分もある)の中に、対米政策に関して過激な発言と認識されるものがありましたので、米国の一部知識人は鳩山さんに批判的な意見やこれまでと違って一種の懸念を述べているものもあります。昨今の為替市場や株式市場はある意味そのようなことを折り込んで動いている部分もあると思っています。即ち為替は円高に振れ、株式市場は良い経済指標が発表されても、利益確定の売りが出て下落すると言う状況です。それは例えば為替が円高傾向であることについて言えば、鳩山新政権が1兆ドルを超える外貨準備高を他通貨・他資産に替える可能性があるのではないかとか、あるいはもはや日本は過去のようにドルを買い支えることは無いだろうとか、そのような懸念が為替市場において既に出始めていることに起因すると思われます。即ち日本でもこれまで溜め込んできた巨額の外貨準備高を使ってソブリン・ウエルス・ファンド(SWF)を創設すべきであると言う議論が今後急速に進展し、ドル資産が処分される可能性があるのではないかと言うことを懸念している部分があると言うことです。
鳩山さんのこれ迄の日米関係に対する主張の中には今日までの日本の米国追随的なあらゆる政策について非常に否定的な見解とも受け止められるようなものがありますが、今後民主党政権がどのような政策をとっていくのかに対する昨今の米国内の敏感なリアクションを見ますと、日本と言う国はある意味それ程までに米国にとって重要な国であると言う事実を再認識することが出来ます。従って、米国は麻生さんの時とは違い、鳩山さんが首相として初めて訪米する時にはおそらくそれなりの気を遣った対応をするであろうと思います。米国にとって日本はドル基準体制を維持する為にもまた中国に対抗するためにも今まで以上に極めて大事な存在になりつつあると私は認識しています。




 

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