北尾吉孝日記

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「10年後の成長通貨、豪ドルに期待」という記事が日経ヴェリタスにありました。「今投資して、最も大きな成果を上げている通貨は」という質問に対し、およそ4人に1人が挙げた豪ドル(101人/394人)が1位で、後はブラジルレアル(89人/394人)が2位、中国元(もしくは香港ドル。68人/394人)が3位という結果でした。

なぜ豪ドルがこれほど人気を集めたのかについて考えてみますと、一つは77円後半~79円後半で推移したこの調査の実施期間(9月6~9日)が関係していると思われます。豪ドルは2007年に107円台まで上昇した後、リーマンショックにより55円台まで下落しましたが、調査期間においては上記レンジにある豪ドルが再び強くなっていくのではないかと目を向ける人が結構多くいた一つのタイミングではないかと考えています。もちろんそのような特殊な要因と共に、資源国通貨に対する期待感の表れがこの調査結果に反映されていることについては蓋然性が高いと思っています。
資源について言うならば、アフリカ諸国には未だ多くの資源があるはずですし、ロシアにも膨大な資源が眠っていると思われます。そして、注目されるのがアラスカや北極・南極の氷が溶け出したことで、その周辺での資源探索が近い将来に出来る可能性が非常に高まってきているということです。従って、資源という観点からの期待は将来的にそのような部分まで広がってくるとは思いますが、現況では豪ドルが人気を集めているようです。

ブラジルレアルや中国元はBRICsを代表する国ということで上位に挙げられていますが、インドルピーに期待する人は約1%と殆ど人気がありませんでした。これは私にとっても意外な結果でしたが、その要因を考えてみますと、一つはインドの状況が日本人には今一つ良く分からないことが挙げられると思います。日本からインドへの企業進出も非常に限られていますので、日本人からみれば未だ中国やブラジルよりも非常に遠い存在なのかもしれません。
例えばブラジルについて言えば、日本人がブラジルに移民として渡った歴史もありますし、サンパウロ州には約100万人の日系人がいます。それに加えてブラジルから日本への移住労働者も非常に多くなってきていますので、日本人はブラジルに対してより強い親近感を持っているのであろうと思われます。一方でインドに対しては、昨年11月下旬に発生したムンバイにおける連続テロ事件や隣国パキスタンとの度々の紛争問題、あるいはそのパキスタンがタリバンと戦闘状態にあること等、様々なことが影響してもう一つインドルピーに対する期待が膨らまないのではないかと考えています。

私どもとインドとの関係性で言えば、これまではベンチャーキャピタル投資を考えていましたが、今後はパブリックカンパニーに投資していこうと思っています。なぜかと言えば、インドでは公開要件が非常に軽く、パブリックカンパニーの数が物凄く多いからであります(2009年7月末時点のムンバイ証券取引所の上場企業数は4937社と東京証券取引所の上場企業数の倍以上)。従って、財務データ等の信憑性に乏しい未公開企業に投資するよりも、公開企業にランク付けを行って、情報のアベイラビリティが十分な企業を選び投資をする方がはるかに効率的でリスクレスな投資が出来ると考え、ベンチャー企業からパブリックカンパニーへと投資方針を変更しているところです。




 

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