北尾吉孝日記

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あるスイスの大手金融機関で長年資金運用業務に携わってきたポートフォリオマネージャーと話をする機会がありましたが、その時彼は次のようなことを私に言っていました。

『新興国マーケットはかなり買われており、もう良いところまできているのではないでしょうか。勿論マクロ経済全体での成長と関わる企業の高い成長力が、高いP/Eを正当化するということになってはいますが…。それに対して、全く買われていなかったマーケットは日本です。そして、これから買われるもう一つのマーケットは米国ではないでしょうか。』

彼は株式だけではなく、債券や不動産のグローバルマーケットも長年見てきた人物ですが、その彼が当面は日本と米国のマーケットに注目しているということです。

昨日の「ウォール・ストリート・ジャーナル日本版(以下、WSJ日本版)」に「米ピムコの旗艦ファンド、09年に前3年分以上の資金が流入」という見出しで掲載された会員向けの記事は、彼の見解を考える上で大変興味深いものでしたので、以下一部を抜粋してご紹介します。

『米債券運用最大手パシフィック・インベストメント・マネジメント(ピムコ)にとって2009年は印象深い年だった。旗艦ファンドのトータル・リターン・ファンドへの純資金流入額は694億ドル(約6兆3300億円)を記録し、12月末現在の同ファンドの運用資産額は2000億ドルを超えた。……同ファンドは09年13.8%上昇し、ベンチマークのバークレイズ・キャピタル米国総合指数(旧リーマン・ブラザーズ米国総合指数)の5.93%上昇を大きく上回った。過去5年間のリターンは6.84%でやはりベンチマークの4.97%を上回っている。』

彼は「債券投資としてみても、米国が非常に面白いのではないか」と言っていましたが、実はそれを裏付ける記事がWSJ日本版には掲載されていたということです。他のどの新聞にもこのような記事は出ていないでしょう。以前WSJ日本版が持つ様々な優位性をご紹介しましたが(『WSJ日本版-日本初の本格的有料オンラインメディアへ』)、このような投資家の皆様に有益な記事が非常に沢山載っていますので、是非購読して頂きたいと思っています。またこの記事からピムコが非常に素晴らしい運用成績を実際に残しているということを見ますと、上手く投資をすれば米国債券でも米国株式でも非常に大きな可能性があるということを私は改めて認識しました。

日本のマーケットについて言えば、昨年の10月~12月にかけ外国人の買いが若干入ってきて、今年に入ってもその勢いは今のところ続いていますが、「小沢問題」等で政治状況は非常に流動的であり、政治状況次第ではその勢いが鈍っていく可能性があると思っています。やはりこの勢いを永続化するためには政治が落ち着き、政府が打ち出した新施策に予算がつけられ、実際にお金が支払われ、そして、それが有効需要の増加に繋がるという形にして行かなくてはなりません。実体経済への効果が現れるには多少時間が掛かると思われますが、まずは今国会で重要法案を速やかに成立させて行くことが必要でありますし、そのような状況になることを私は願っています。

去年世界中の投資家からニグレクトされてきた日本株ですが、割安だと思っている外国人は、先程ご紹介したスイスのポートフォリオマネージャーだけでなく、非常に多いという感触を私は得ています。従って、今後の政治状況に左右されはしますが、今年は外国人の買いを少し期待出来るのではないかというように私は認識しています。




 

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