北尾吉孝日記

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英国で13年ぶりの政権交代が実現し、1945年以来となる連立政権が誕生しました(※1)。

外国為替市場では「連立政権が巨額の赤字を削減する緊縮財政措置を発表した」にも拘らず、昨日からポンドは売られているわけですが(※2)、それは保守党政権になると「金融機関の監督権限が金融サービス機構(FSA)からイングランド銀行に移されるのではないか」とか、あるいは「銀行に対する新たな課税制度が導入されるのではないか」というように、様々な規制が金融機関に加わるということが懸念されてのことではないかと私は考えています。

以前ブログで書いた通り、30年程前に私がケンブリッジ大学に留学していた時はサッチャー政権以前の時代で、所謂「英国病」が蔓延していた頃でした。
当時、その英国病を克服するための希望の星というものは2つあると言われていて、一つが北海油田を成功裏に開拓することで英国経済を支えて行くこと、もう一つが国際金融センターとしてシティを徹底的に強化し、世界の金融の中心にして行くことでした。

それに対して、サッチャーは見事にその両方をやり遂げ、英国を繁栄に導いたわけですが、その片方の金融産業に関して、ただでも「リーマンショック」や英国における住宅バブルの崩壊により非常に大きな打撃を被っている中、更に他の先進諸国が掛けないような様々な規制を掛けて行くということになると、嘗て著名投資家のジム・ロジャーズ氏が「英国は終わった」と発言した通り、英国経済の先行きは大変厳しいものとなるでしょう。

現在、一部の金融機関は既にシティから撤退し始めており、今後この動きが加速するということになれば、金融産業以外が殆ど育っていない英国の産業に一体何が残るのかと、私は保守党政権の経済運営を非常に心配しています。
また、上述したポンドが今後どのように推移するのかについても、私は注目しているところです。

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英国は終わったか

参考
※1:英連立政権発足、保守・自民両党首が協力に向け決意表明
※2:外国為替市場概況:ポンドとユーロ下落、長期的な成長懸念で(5月12日)





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  1. 勉強させて頂きます。
    どうぞよろしくお願いいたします。

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