北尾吉孝日記

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最近発表される米国の経済指標を見ていますと、どちらかと言えば、ポジティブなものよりもネガティブなものが増えてきているように思います。
例えば、昨日発表された6月のADP民間部門雇用統計では、市場予想(6万人増)を大幅に下回って前月比1.3万人増にとどまったり(※1)、あるいは6月のシカゴPMIは59.1と前回の59.7を下回っていますし(※2)、あるいは一昨日発表された6月の消費者信頼感指数も52.9と前月の62.7から大幅に低下しています(※3)。
このように毎日様々な指標が出ていますが、中でも特に注視しているものが米国の不動産価格の行方についてです。これまでの不動産価格の上昇により顕在化しなかったサブプライムローン関係の不良債権は300~400兆円位あると言われていますが、もし不動産価格がまた下落して行くというような状況にでもなれば、再びサブプライムローンの不良債権化問題というものが現出する可能性があるということで、私はこのことを非常に懸念しています。
先月発表された住宅の指標を見ても、例えば、5月の住宅着工件数は前月比10%の大幅減少で5カ月ぶり低水準、また、住宅着工許可件数も前月比5.9%減で1年ぶりの低水準というようなことで、住宅問題が非常に大きな問題であると認識しています(※4)。

米国以外についても、例えば、これまで何度も指摘してきた欧州の問題やイグジットの問題等々、世界経済は様々な問題を孕んでいますが、中国経済についても欧米経済が悪化した場合、輸出がどうなるのかという問題が出てきます。更に言えば、人民元を弾力化させたということのマイナス面も無いわけではありませんので、2011年にかけて中国経済は多少減速してくる可能性もあると思っています。
このように世界経済が減速傾向にあることから、各国のマーケットがそれを読んで動き始めているというのが現況でありましょう。
私としてはある程度予見していたことが実際に起こってきているというように感じており、世界経済全体に暗雲が立ち込め始めた気がしています。

参考
※1:6月の米民間部門雇用者数、小幅増にとどまる-ADP調査
※2:[米6月シカゴ購買部協会景気指数] 59.1 ほぼ予想どおり
※3:6月の米消費者信頼感指数、大幅低下=コンファレンス・ボード
※4:UPDATE1:5月米住宅着工件数は5カ月ぶり低水準、許可件数も1年ぶり低水準




 

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