北尾吉孝日記

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先々週のブログで「ドイツの優れた部分を日本は少し見習うべきだ」というように書きましたが、様々なことについて日本は世界各国の優れた部分を積極的に学んで行くべきではないかというように思っています。
日本の問題点として、様々な分野に関して国際比較研究をするという部分が非常に少ないことが一つあると私は捉えています。また、例えば「英国は○○○である」とか「ドイツは△△△である」というように世界各国の状況を基に議論を組み立てる人もいますが、それについても非常に浅薄な知識でものを言っているような気がしています。
世界には色々な文化や風土を持った国があり、その中で色々な知恵が生まれてきているわけで、日本はもう少しグローバル且つ本当に中身が分かるような形での調査を徹底し、そして日本にとっての意味を吟味して行くということが必要であると思います。

先日私は中国の大使館である方に御目に掛かり色々な話を伺ってきたわけですが、やはり中国は日本という国を物凄く研究していて、その分析結果を全て本国に送り、そして、本国の様々なディシジョンメイキングの参考資料にしているということです。例えば、前々回のブログで述べたプラザ合意の時の為替水準とは一体どのようなものであったのかということや、あるいはスミソニアン体制への移行時の状況はどうであったのかというように、日本の歴史を徹底的に勉強し、そしてその後どうあったのかというある意味での歴史的結論も参考にしながら、今の中国について考えているという具合です。

もう一つ例を挙げれば、名古屋市や阿久根市の騒動もあり最近語られることの多い地方自治についてであります(※1)。この問題はこれまでも多くの議論が積み重ねられてきたことは事実であるとは思いますが、今後はやはり日本での議論だけをするというよりも、世界ではどうなっているのか、あるいはどの国のどのような部分においてスムーズになっているのかというように、国際的な分析に大きな比重を置く形に変えて行くべきであると私は考えています。
中国については勿論この分野においても上述したような形で取り組んでおり、単に大学という象牙の塔にいるだけではではなく、実際に地方自治の現場で暫く経験を積んでいるような人が日本の地方自治について克明に調べ上げリポートを作成し、そしてそれを様々な国家レベルのディシジョンメイキングの有力な判断材料の一つにして行くというようになっています。

また政治の在り方ということで言えば、首相公選制導入についても日本では昔から議論がありますが、このテーマについても今後は世界に目を向けて更に議論を深めて行くべきであるというように思います。例えば、実際に導入されたイスラエルにおける状況について更なる研究が必要であると思いますし、あるいは隣国韓国の政治システムにおいてもある意味上手く機能している部分もあるわけで導入に向けて学べる部分については学んで行くべきであると私は思っています。
本制度に対する私自身の考えについて言えば、導入出来るということであれば導入した方が良いとは思いますが、日本では中々実現出来ないのではないかというように思っています。ただ党首と首相というものを同一人物にする必要は必ずしもないと思っていますし、やはり全国国民が1年以上を掛けて次のリーダーを選び出して行くという位のプロセスを経なければ、長期安定政権を築くことはもはや難しいのではないかというようにも感じています。
そのような意味で米国大統領選においては候補者のあらゆることが徹底的に調査され、仮に何らかの問題点が見つかれば、鬼の首を取ったようにこれでもかと報道されるという中で最終的に選出されて行く部分というものは、やはり正鵠を射る方法の一つであることは間違いないと思います。
前回のブログで少し触れましたが、仮に世論調査の結果と実際の選挙結果が大きく相違するというようなことになるならば、それは情報が操作されているかもしれませんし、仮にそうでないとしても候補者が日本中を飛び回り、国民に演説をダイレクトに届け、そしてその結果として次のリーダーを選出して行くというプロセスは、密室で何やら選ぶというよりも明らかに公平で遥かに良いプロセスであるというように私は思います。

以上、国政と地方自治のあり方も例として採り上げながら述べてきたわけですが、あらゆる分野において色々な意味で今益々重要になってきているのは、やはり国際的な分析とその比較、そしてそういったものを参考にしながら日本の処方箋を描いて行くということではないかと思います。
兎に角日本は何かにつけて他国を十分に勉強せずに理解したようなつもりになっている節があると思われますので、私はそのような部分を早急に改善して行く必要があるのではないかというように強く思っています。

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参考
※1:http://s.nikkei.com/skwo4S




 

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